【プレスリリース】脳転移したがんにミリメートル以下の高精度な放射線治療ができる定位放射線治療特化型リニアック「TrueBeam Edge」による治療を国内で初めて開始

Press Release

2019年12月3日

 

脳転移したがんにミリメートル以下の高精度な放射線治療ができる

定位放射線治療特化型リニアック「TrueBeam Edge」による治療を国内で初めて開始

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 地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター(以下、当センター)の放射線腫瘍科は、12月2日(月)より、最新の定位放射線治療※1に特化した、株式会社バリアン メディカル システムズ(以下、バリアン社)製の放射線治療装置(以下、リニアック)「TrueBeam® Edge(以下、Edge)」を導入し、国内で初めて治療を開始しました。

 近年、がんになっても薬物治療の進歩により長期の生存が可能となりましたが、それに伴いがんの転移も増えています。特に、複数個所の脳転移症例が大幅に増加しており、臨床現場ではこれに対する迅速な対応が求められています。脳転移には放射線治療が有効で、脳全体に放射線を当てる全脳照射が行われてきました。しかし、全脳照射は後から認知機能低下を引き起こす恐れがあるため、病変部だけを狙う定位放射線治療※1が強く望まれてきましたが、今までは技術的に困難でした。

 Edgeは、定位放射線治療※1に最適化されたTrueBeamシリーズのリニアックで、ミリメートル以下の狂いしかないピンポイントな照射ができ、高線量モード※2、高分解能マルチリーフコリメータ※3(照射する範囲を調整する装置)、6軸治療台※4などの高い技術を搭載することで、さらに照射時間が短く、照射範囲も狭まり、患者さんへの負担が少ない治療を実現しました。また、Edgeには、脳転移に対して質の高い定位手術的照射※5を効率的に提供するHyperArc技術が標準搭載されています。

 HyperArcは、多発性脳転移の定位手術的照射※5に必要な、治療台を横方向に動かして照射する角度を変えるノンコプラナー照射を、治療計画のワークフロー化などによって効率的に短時間で計画できるように設計されています。また、治療計画ソフトウェアに専用のツールを搭載することで、多発性脳転移の定位手術的照射※5で課題となっていた、標的腫瘍間の線量や正常組織への線量の低減を実現しました。さらに、事前にガントリ(ビーム照射口)と治療台の軌道を確認するバーチャル・ドライラン機能により、安全性に配慮した設計となっています。

 当センターでは今年5月22日より、既設のTrueBeamシリーズにてHyperArcによる治療を開始し、これまでに84件の脳転移症例に対して定位放射線治療※1、定位手術的照射※5を行ってきました。通常照射と同じ感覚で迅速、精密に患者さんへの負担が少ない定位照射を提供できるので、現場の大きな力となっています。今回のEdgeの導入により脳への定位照射は2台体制で行うことになり、診察日と同日に照射をすることも可能となります。

 さらに当センターは、治療装置が充実しているだけでなく、放射線治療専門医6名、医学物理士8名、診療放射線技師20名(医学物理士を含む)と専門性の高い豊富な人材を有しており、全ての部位、疾患において高精度放射線治療であるVMAT※6(Volumetric Modulated Radiotherapy)を多くの患者さんに提供しています。来年度は、今年度の見込み約1,900件を上回る年間2,000件の治療件数を目指し、患者さんのニーズが高まる現状においても、Edgeを活用することで高精度放射線治療をより一層正確かつ迅速に提供できる体制を構築します。また、計4台のリニアックを保有するメリットを最大限に活かし、患者さんや付き添いの方の就業継続を支援する就労支援枠の設定を拡充させ、患者さんに寄り添った放射線治療を進めて参ります。

 

※1 分割照射による定位放射線照射(高線量のピンポイント照射)。

※2 通常照射より、同じ線量を短い時間で照射できる機能。定位照射は通常照射と比較して、1回に照射する放射線の量が多いので、この高線量率モードで照射することにより、以前より短い時間で照射ができるようになった。

※3 通常の放射線治療装置と比較して、照射する範囲によりフィットした照射が可能となり、照射する範囲の外の正常組織の放射線の量を少なくできるようになった。

※4 以前は3軸(3方向)の修正で回転方向の補正ができなかったが、6軸治療台を用いることにより、回転方向の補正が可能となり、より正しく病変部に照射ができるようになった。

※5 1回照射による定位放射線照射(高線量のピンポイント照射)。

※6 患者の周りを治療装置が回転しながら放射線の強弱を付け、病変部には高い線量、その周りの正常組織には低い線量を照射できる照射法。

 

(写真)大阪国際がんセンター Edge治療室内観

 

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