遺贈によるご寄付について
遺贈寄付で、あなたの想いを未来の命へ繋ぐ
〜大切な財産を地域の医療に役立てるための「専門家」の選び方〜
当センターのホームページをご覧いただきありがとうございます。
突然ですが、みなさんは「遺贈寄付(いぞうきふ)」という言葉をご存知でしょうか?
超高齢化社会を迎えた現在の日本では、毎年多くの方が人生のゴールを迎え、大切に築き上げてきた財産が次の世代へと引き継がれています。
しかし、すべての方が「親族に財産を譲りたい」と考えているわけではありません。
近年では、「自分が人生を過ごした地域社会や、お世話になった医療の未来のために財産を役立てたい」と願う方が、実はたくさんいらっしゃいます。
当センターでも、患者さんやそのご家族から「これからの医療の発展や、病気で苦しむ次の世代のために、何かできることはないか」という温かいお声をいただくことが増えてきました。
ですが、そう思ってはいても、日々の生活の中でなかなか具体的な行動に移すのは難しいものです。
「いつか考えよう」と思っているうちに、気がつくと何の手続きもできないまま、最期を迎えてしまう……という現状もあります。
そこで、ホームページをご覧いただいたみなさまが一歩踏み出すきっかけになればという目的で、遺贈寄付についてご紹介します。
遺贈寄付の流れ
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遺言書を作成

遺言書で、寄付先や寄付する財産の内容を明確に定めます。
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遺言執行者

遺言の内容に沿って、必要な手続きを進め、寄付を実行します。
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大阪国際がんセンターへ寄付

遺言に基づき、ご寄付が大阪国際がんセンターへ届けられます。
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未来の医療へ活用

医療の充実や療養環境の整備などに未来の医療に役立てられます。
なぜ病院への遺贈寄付に「遺言書」が必要なのか?
遺贈寄付とは、遺言書によって「自分の財産の一部(または全部)を、特定の団体や病院に寄付する」仕組みのことです。死後に行う寄付である点が、生前に行う寄付と異なります。生前の寄付は手元の資産がその瞬間に目減りすることになります。一方、遺贈寄付は、生前は自分のために使い、余った財産があれば一部(または全部)を寄付する仕組みですので、普段の日常生活に支障が出ず、無理なく実行できる点が優れています。
当センターへの寄付や寄付に関するご相談も増えておりまして、当センターへいただいた寄付金は、医療機器の導入、医療スタッフの育成、サービスの向上、そして、より快適な療養環境の整備など、未来の患者さんの命と健康を守るために大切に使わせていただいております。
しかし、この素晴らしい「未来へのバトン」を確実に届けるためには、法的に有効な遺言書を作り、あなたの死後にその手続きを確実に実行してくれる「遺言執行者」という存在が必要不可欠になります。ここで、多くのみなさまが大きな壁にぶつかります。
「では、一体どの専門家に相談相手になってもらえばいいの?」
実は、遺言作成を業とする専門家は世の中にたくさんいます。しかし、医師や看護師に専門分野があるのと同様に、「遺贈寄付」について本当に理解し、実務に精通している専門家は少ないのが実情です。
せっかくの温かい想いを「絶対・確実・安全」に届けるために、知っておくべき専門家の選び方の極意をご紹介します。
1. そもそも誰に頼めるの? 専門家の「得意技」を知ろう
あなたの代わりに手続きを実行してくれる専門家にはいくつか種類があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
- 1. 弁護士:どんなトラブルも解決する万能の法律家
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法律のプロであり、万が一、死後に親族間で相続に関する争い(争続)が起きそうな場合は心強い味方になります。ただし、弁護士が登場すると、親族側も身構えて、解決まで「長期間」に渡って争いが続くということもあります。基本的には「既に発生したトラブルを裁判で解決する」という仕事なので、生前の和やかな終活サポートや、遺贈寄付の実務をあまり熟知していないケースも意外と多いのです。
- 2. 司法書士:財産管理と手続きを平和に進めるプロ
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司法書士は、不動産や会社の登記だけでなく、預貯金の解約や遺産の整理といった「財産管理の実務」を丸ごとカバーできる専門家です。弁護士との大きな違いは、金額が大きくなる「揉め事の裁判」は扱えないことです。裏を返せば、「余計な争いを起こさず、平和に、確実に手続きを完了させる」のが得意の専門家です。穏やかに、確実に病院へ寄付を届けたい方であれば、非常に相性が良いと言えます。
- 3. 行政書士:書類作成のスペシャリスト
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官公庁に提出する書類作成などを得意とする専門家です。ただし、法律上のルールとして、行政書士の「法人」として財産管理を行う権限はありません。そのため、実際に寄付の手続を担う遺言執行者になってもらう場合は、行政書士個人として依頼する形になり、少し注意が必要です。
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弁護士
法律上のトラブルを解決するのに適していますが、時間がかかる可能性
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司法書士
財産管理と平和な手続きに最適ですが、裁判は扱えない
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行政書士
書類作成に優れていますが、財産管理の権限はない

2. 失敗しないための「専門家選びの」3つの条件
大切な想いと財産を託すわけですから、資格の名前だけで選ばず、次の3つの視点でシビアに見極めてください。
- 条件1:自分より「一世代、二世代若い」専門家を選ぶ
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遺贈寄付が実行されるのは、みなさんの人生のゴールの「後」です。その時に、頼んだ専門家が先に引退していたり、亡くなっていたりしたら困ってしまいますよね。目安として、未来の時点でその専門家が「一世代、二世代若い」であること。同世代の専門家ではなく、みなさんより若い世代の専門家を伴走者に選ぶのが、最も確実で安全なルートです。
- 条件2:「どこで、どんな風に」働いているかを見る
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必ず一度は相手の事務所に足を運んでみてください。一人で業務を行っている専門家より、複数人で業務にあたっている、ある程度チームで動いている事務所の方が、組織としての継続性があり安心感があります。事務所が会社組織(法人化)であるかどうかも確認しましょう。法人であれば、その専門家が仮に引退をしていたり、亡くなっていたりしても後継の専門家が引継ぎしていくのが通常だからです。
- 条件3:寄付先である病院と「こまめに連絡」をとってくれるか
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これが最も重要です。遺贈寄付に詳しい専門家は、遺言を作る段階から、寄付先である病院と事前の打ち合わせを重ね、こまめに連絡をとっていきます。寄付したい、というみなさんの想いを確実に形にするために、条件や制限を確認していくのです。病院と事前の連絡を取り合ってくれるかどうか、相談なさる際にご確認ください。
遺贈寄付についてよくあるご質問
すべての財産を寄付する必要はありません。むしろ、全財産を寄付するケースよりも、「財産の一部だけ」を寄付するケースのほうが一般的です。ご自身の生活やご家族への配慮に合わせて、自由に割合や金額を決めることができます。寄付を受ける多くの団体では、「遺産のうち〇万円だけ」といった少額の遺贈寄付であっても、活動を支える大切な原資として非常に感謝されます。「全財産でなければ…」と気負う必要はまったくありません。
ご家族がいる場合でも、遺贈寄付は可能です。遺贈寄付は、遺言を使った寄付です。遺言は、寄付したいと思っているみなさんご自身で作成するものですので、ご家族の承諾を得る必要はありません。もっとも、法定相続人(配偶者や子どもなど)には、法律上最低限もらえる財産の割合(遺留分)が決まっています。これを無視して全額寄付すると、死後に法定相続人と寄付先の間でトラブルになることがありますので、注意は必要です。
一度作成した遺言の内容の変更は可能です。遺言書は「亡くなった時点」で初めて効力を持つので、生きている間はいつでも書き直すことができます。日付が新しい遺言が優先され、一部の書き直しだけでなく、全部書き直すことも可能です。心境の変化、家族状況の変化、財産の増減に合わせて、その時々のベストな内容にアップデートしていくのがよいでしょう。
はい、現金以外の財産(不動産、株式、投資信託、貴金属など)も遺贈寄付することは可能です。ただし、現金以外の「現物(げんぶつ)」を寄付する場合、受け取る団体側がそのまま管理・運用するのが難しいことも多いため、「現金の遺贈寄付よりも少しハードルが高くなる」というのが実情です。税金に注意が必要ですが、現物を換金した上で現金を寄付することも可能です。もし、現金以外を元手に寄付したいと希望される場合は、税理士や税務署に相談した上で遺言を作成することが大切です。受け取る側に事前相談することも大切です。現物のまま寄付を受け取るケースもあります。
遺贈寄付においては、相続税とみなし譲渡所得税という税金に注意することが大切です。現金以外の財産をそのまま寄付するときや、換金して寄付する場合に特に注意が必要です。寄付する財産を取得した時点と、寄付する時点の価値を比較して、その財産が値上がりしていると課税が発生することがあります。財産の種類にもよりますので、遺言を作成する段階で税理士に確認するのがよいでしょう。寄付の受け取り側が、自治体なのか、大学・研究機関・公益法人なのか、NPOや一般法人なのかによっても違いがあります。みなさんの希望を叶えるためにも、税金を考慮した遺言を作成しましょう。
遺贈寄付を受ける側に問い合わせる方法がまず考えられます。信託銀行や金融機関の担当者とやり取りがあるのであれば、その方に相談するのも1つの方法です。民間には、クラウドファンディングサービスを提供しているレディフォーという会社のレディーフォー遺贈寄付サポート窓口といった相談窓口や、司法書士が代表をつとめる日本承継寄付協会という窓口などもあります。司法書士会、弁護士会、税理士会に紹介を依頼してみるのもよいでしょう。
遺言が完成するまでの期間はケースバイケースですが、公正証書での遺言の場合は、短くても2カ月から3カ月かけて作成します。相続に関係する家族関係や、財産の棚卸し、税金面のチェック、遺贈寄付先との調整をした上で作成するのが通常だからです。元気なうちに時間をかけて作成するのがよいでしょう。直筆による遺言書の場合は、公証役場の予約を取る必要がないので、もう少し期間を短くすることも可能でしょう。
遺贈寄付は、遺言書を使った寄付です。信託銀行の多くは、「遺言信託」という商品を扱っています。これは、遺言書作成支援、完成した遺言の保管、相続時の遺言執行を一気通貫に行うサービスです。信託銀行は、寄付を受ける側の団体と提携していることも多く、また、実績も豊富です。名前に信託銀行と入っていなくても、遺言信託を扱う金融機関は多くあります。もし、遺贈寄付をお考えなのであれば、みなさんがお使いの金融機関に尋ねてみるとよいでしょう。
最後に:縁起でもない話を、最高の未来に変えるために
遺贈寄付は、あなたが人生の最後に行う「最高のプロジェクト」です。
だからこそ、手続きを淡々とこなす専門家ではなく、みなさんの「このお金を医療の未来に役立ててほしい」という温かい想いを、そのまま病院へ繋いでくれる最高の伴走者を見つけてください。
当センターでは、遺贈寄付をしたいと考えているみなさんのご相談をお受けしています。
相続や遺言の法的な手続きはもちろん、当センターの医療現場ともしっかり連携しながら、みなさんが未来へ遺したい想いを形にするサポート体制を構築しております。
「どこから手をつけていいか分からない」
「まずは話を聞いてみたい」
そう思われた方は、どうぞお気軽にご相談ください。
みなさんの人生の物語を次の世代へ、そして未来の医療へと繋ぐお手伝いを、丁寧に、全力でサポートさせていただきます。
- お問い合わせ
- 大阪国際がんセンター 事務局 経営改革グループ
06-6945-1181(代表)
受付時間:平日9:00~17:30
記事監修
【略歴】
・神戸大学法学部卒業。
・2011年司法書士登録。
・司法書士法人福村事務所 代表司法書士。
【主な著書】
・『相続・遺言・介護の悩み解決 終活大全』
・『終活の落とし穴』(日経プレミアシリーズ)
・『ACPと切っても切れないお金の話』
・最新刊:『終活クエスト~おひとりさまの終活大全~(GAKKEN)
終活に関する書籍執筆、日経新聞・楽天証券トウシルなどのメディア掲載、各地での講演実績も多数。
「社会的緩和ケア」や「ACPと切っても切れないお金の話」など、医療・介護・金融を跨ぐ独自の視点で発信を続けている。
司法書士 福村雄一(司法書士法人福村事務所)









