「説明と同意」という意味。
臨床試験(治験)に参加する前に、その臨床試験に関する十分な説明を担当医師より受け、意義、目的、方法等を理解した上で、自由な意思による自らの判断で臨床試験への参加に同意すること。同意は書面によってなされなければならない。
インフォームドコンセントは、被験者に対して十分な説明を行い、被験者が臨床試験の内容を理解したうえで、自由な意思により同意することが前提であるが、思考能力が発達途上にある責任能力のない子供が臨床試験の対象となる場合は、子供の両親など被験者の法的保護者からインフォームドコンセントをとることと決められている。
しかし、一定の理解力のある子供に対しては、アセント(法的規制によらない同意)を取得すべきであると考えられており、インフォームドコンセントに加えて、被験者である子供に対しても臨床試験の説明を行い同意をとることをインフォームドアセントという。
治験(臨床試験)の実施計画において治療の有効性又は安全性を評価するために設定された評価項目。
臨床試験の担当医師も参加者にも投与する医薬品、用量などをオープンにして(わかったうえで)実施される臨床試験。一般臨床試験ともよばれ、比較対照をおかないで実施される臨床試験。
医薬品等の安全性や効果を評価するため、医薬品を人体に投与または医療機器を人体に適用する医療行為。医薬品等を投与、適用せず、人体の一部を採取し試料として研究を実施する場合は、介入にはあたらず、観察研究という。
患者さんの服薬内容や服薬日時、または症状の変化を記載する日誌の事。
現在の病気にかかる前の体の状態や、かかった病気の記録のことをいう。
逸脱とされない、治験スケジュール上規定された来院期間の範囲のこと。
条件に合う被験者を選抜すること。
医薬品や医療機器の承認後にその承認された使い方に基づき、治験等で得られた推定を検証したり、品質、有効性及び安全性に関する情報を収集するために実施する試験。
臨床試験の適切な参加者を識別し、参加者の安全性を確保するために設けられた参加基準。これらの基準は、年齢、性別、疾病のタイプ・病期、これまでの治療歴、その他の病状等の要因に基づき、参加するための基準である選択基準と参加させてはいけない基準である除外基準がある。
臨床試験の結果を評価するために、臨床試験では、参加者をグループ分けすることがある。この際に比較される群(グループ)を対照群という。臨床試験では、対照群として、病気の標準治療法又は プラセボのいずれかが割り付けられることが多い。一方、新しい介入処置を受ける群としては、被験薬又は被験治療が割り付けられる(「標準治療」、「プラセボ(偽薬)」を参照)。
医師は治験薬の中身を知っているが、 被験者は治験薬の中身を知らない状態の試験。
「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく医薬品・医療機器の承認を得るために実施される臨床試験のこと。3つの相(フェーズ)に分かれ、健康な人を対象として行われる第Ⅰ相(抗がん剤の場合は、第Ⅰ相もがん患者を対象として実施)、少数の患者を対象に行われる第Ⅱ相、多くの患者を対象に行われる第Ⅲ相がある。なお、医薬品や医療機器が承認された後に実施する製造販売後臨床試験は、第Ⅳ相といわれる。治験は「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」や「医療機器の臨床試験の実施の基準に関する省令」を遵守して行われる。
治験の発案、運営・管理および資金などに責任を負う会社、機関または団体を指します。通常は、医薬品または医療機器メーカーを指す。
医学、医療の専門家と非専門家によって構成される治験の実施の可否等を審査する委員会。IRB ともいう。、治験審査委員会では、治験実施計画書、被験者から文書によるインフォームドコンセント(「インフォームドコンセント」を参照)をとるのに使用される同意・説明文書等の資料を審査し、治験の実施、継続を承認し、被験者の人権、安全及び福祉の保護を保証する。
インフォームド・コンセントの過程において用いられる治験の目的、内容等を記した文書一式。
治験参加者及び治験担当医師の両者が、参加者が新しい介入処置を受ける群と対照群のどちらで治療を受けているかわからない状態にして行う臨床試験。治療参加者と治験担当医師双方の期待や予想が結果に影響しないため、二重盲検試験は客観的な結果を引き出すことが可能と考えられている。(「単盲検試験」、「プラセボ(偽薬)」、「プラセボ効果」を参照)。
特定のものの見方によって、研究対象についての公平な判断が妨げられること。臨床試験では、盲検化及び無作為化することによりバイアスによる影響を小さくできる(「盲検化」、「無作為割付」を参照)。
臨床試験において、一方の群に被験薬又は被験治療を割り付け、もう一方の群に疾病の標準治療法又はプラセボを割り付けて(対照群)、被験薬等の効果の有無等を対照群と比較して評価を行う試験。
治験薬もしくは製造販売後臨床試験薬を投与される者。
治験実施の目的となる、開発中の未承認薬剤。治験で用いられる際には「治験薬」ともいわれる。
特定の疾患又は症状の治療に有効とみなされ、広く適用されている治療。
特定の疾患又は症状の治療に有効とみなされ、広く適用されている治療。
治験スケジュールに規定された来院日のこと。
薬剤や治療の望まれない反応又は影響。被験薬(又は薬の候補化合物)について、即時に現れる副作用及び長期的な副作用の両方が評価される(「有害事象」を参照)。
薬の成分は入っていないが、被験薬を見た目や味が同じ偽物の薬。対象被験薬の効果や安全性を正しく判断するために用いられる(「プラセボ対照試験」を参照)。
プラセボが処方・投与された後に生じる、身体的又は心理的な変化。プラセボには薬の成分が入っていなくても、試験参加者や試験担当医師の期待度の高さ等の影響を受けて、好転的な変化が起こることがある。
被験薬が割り付けられた群とプラセボが割り付けられた群の2つのグループ間で、効果の有無や安全性を比較して評価する方法。割り付けられた薬以外の試験条件は全て同じ状態で実施されるため、被験薬本来の効果や安全性を確かめることができる。
試験の目的、デザイン、方法、統計学的な考察及び研究組織体制について記述した臨床試験を実施するための計画文書のこと。プロトコルには、臨床研究期間中に、参加者の健康管理、治療の安全性及び有効性を監視するために被験薬の使い方や、参加者の観察方法も記載されている(「選択/除外基準」を参照)。
治験薬と同じような効果を持ち、治験薬の薬効の評価ができなくなったり、治験薬の副作用が強く出る可能性を持ち、被験者の安全性が確保できなくなる為、併用を禁止されている薬剤。
2つ以上の試験群のどれか1つに参加者が無作為に(偶然性に基づいて)割り付けられる試験。プラセボが使われることもある(「プラセボ(偽薬)」を参照)。
試験参加者を偶然性に基づいてある治療法又は予防法群に割り付ける方法。無作為化は、いずれの試験群に特定の特性を待った人が偏って割り付けられないようにする方法である。
無作為化された試験のどの群にいるか参加者に知らされない場合、その試験は「盲検化(ブラインド、 blind)されているという(「単盲検試験」、「二重盲検試験」を参照)
被験薬の投与等の介入によって引き起こされた、望まれない効果。介入との因果関係を問わない。突然発現することもあれば、時間の経過とともに徐々に発現してくる場合もある。被験薬又は製造販売後臨床試験薬を投与された被験者に生じたすべての疾病又はその兆候をいう(「副作用」を参照)。
臨床研究とは、病気の予防方法、診断方法、治療方法の改善等のための試験であって、人を対象に行うものをいう。臨床試験(治験を含む)だけでなく、症例研究、調査研究等の観察研究も含まれる。
臨床研究の実施等に関し必要な事項について、倫理的観点及び科学的観点から調査審議を行う委員会。
あらかじめ決められた規則、ロジックにより、被験者を複数の群に所属させて、参加者が受ける治療法又は予防法を決めること。比較試験において、参加者が受ける治療法又は予防法を偶然性に基づいて決めることを無作為化割付(randmization)と呼ぶ(「無作為化割付」を参照)
実施医療機関において、治験責任医師や分担医師の指導の下に、治験に係る業務に協力する薬剤師、看護師その他の医療関係者。CRCが治験を支援するときは「治験コーディネーター」と呼ばれる。
厚生労働省が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準」及び「医療機器の臨床試験の実施の基準」のこと。
治験審査委員会のこと。内容は「治験審査委員会(IRB)」を参照