アラガン社製の乳房再建用エキスパンダー、乳房インプラントの挿入術を受けられた皆さまへ
アラガン社製の上記製品の挿入部において稀に発生する合併症「ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫(BIA-ALCL)」に関連し、同社は世界市場から自主回収、販売停止をすることを7月25日に公表しました。
BIA-ALCLはT細胞性リンパ腫の一種で、乳がんとは異なる悪性腫瘍です。発生率は3800分の1~30000分の1と報告されています。インプラント周囲に液体がたまり、大きく腫れることで始まることが多いとされています。
アラガン社の乳房再建用エキスパンダー、乳房インプラントは、日本では唯一健康保険で認可されている製品です。当センターでは当分の間、乳房切除と同時のティッシューエキスパンダー挿入術ができなくなります。現在ティッシューエキスパンダーを留置している方は、この後、インプラント挿入ではなく自家組織での再建を考慮するか、より安全性の高い乳房インプラント製品の日本への導入(未定)をお待ちいただくことになります。
既に乳房インプラントが挿入されている場合、米国FDAや、それ以前に流通停止を決定していたEU、カナダでは、無症状の方に対する予防的なインプラント摘出手術は推奨していません。腫れやしこりがないかを自分でチェックするように推奨しています。
今後はインプラントの破損や合併症の発見のために、最低2年に1度(できれば毎年)定期受診を継続していただきますようお願いします。不明な点がございましたら、診察時に主治医までおたずねください。
なお、アラガン社のホームページにおける「患者様とご家族の皆さまへ」のアドレスは以下のとおりです。