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がんの早期診断に有効なマーカーの検索、また化学療法や免疫療法、放射線療法などに抵抗性のがんも含めた新たな治療法の開発を行います。いずれも高度な基礎研究から臨床応用へと発展させることにより府民の健康と、ひいては我が国、世界のがん患者への貢献を目指します。

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当センターの基本方針のひとつである「先進医療の開発と実践」を実現するために、企業主導および医師主導の開発治験を推進し、当センター独自の臨床研究の支援を行っています。また2018年からは、認定臨床研究審査委員会を置き、センター内外の特定臨床研究の審査も実施しています。

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1962年から継続している大阪府がん登録を基盤に、大阪府がん対策推進計画など、科学的根拠に基づくがん対策の立案および進捗管理で大阪府と協働することに加え、病院や研究所等とともに大阪国際がんセンターを構成する柱の一つとして、その理念の実践に取り組んでいます。

「AI創薬プラットフォーム事業」の共同研究において、リアルタイム臨床情報収集バックアップシステムを構築~医学研究や災害時の診療継続に寄与~

Press Release

2024年10月24日

 

「AI創薬プラットフォーム事業」の共同研究において、
リアルタイム臨床情報収集バックアップシステムを構築

~医学研究や災害時の診療継続に寄与~

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国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター
TXP Medical株式会社

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(所在地:大阪府茨木市、理事長:中村祐輔、以下「医薬基盤・健康・栄養研究所」)、地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(所在地:大阪市中央区、総長:松浦成昭、以下「大阪国際がんセンター」)とTXP Medical株式会社(代表取締役CEO:園生 智弘、以下「TXP Medical」)等で共同研究を進めている『生成AIを活用した患者還元型・臨床指向型の循環システム(AI創薬プラットフォーム事業)』では、これまで医療データの構造化、クラウドへの転送、災害時バックアップ、2次利活用のためのプロトタイプ開発・検証を実施してまいりました。

この度、当該事業の成果の一環として、「リアルタイムかつ自動更新される臨床情報収集バックアップシステム」を構築し、運用される見込みとなりましたのでご報告致します。

プロジェクトの概要図

本成果の意義

〈意義その1:国際標準規格であるFHIR※への変換を実施〉
日本において大規模な医療データの活用を考えるにあたり、つねに考慮しないといけないのが、各病院が多様なベンダーの電子カルテを各々採用しており、データの規格を統一するのが困難であるという点です。本事業においては、病院がどのベンダーの電子カルテを採用していようとも、電子カルテのデータを、国際標準規格であるFHIRへ迅速に変換する技術を開発しました。
また、研究や災害時の診療継続に臨床上重要な項目を選択することで効率的なデータ変換を実現し、1ベンダーにつき半年間程度という比較的短い開発期間で電子カルテのデータをFHIRに変換するプログラム作成を可能としました。
〈意義その2:日単位で自動更新されるデータ〉
日標準規格であるFHIRにデータが変換されるとしても、時間差があっては有事や研究の際に使えないデータとなってしまいます。本システムでは臨床情報が日単位で自動で標準規格への変換、更新がなされることで、必要な情報が日々担保され、蓄積していくことが可能です。
〈意義その3:有事の災害対策に寄与〉
このように、日々の臨床情報が自動的に蓄積されることで、有事に際し病院の電子カルテが使用できなくなった場合でも、バックアップを用いて継続した医療行為が可能になります。
また、各病院において短期間でシステムを構築することができるというノウハウにより、多数の医療機関に対し効率よくシステムを導入することが可能になるため、災害大国である日本における災害対策に大いに寄与するものと考えます。
〈意義その4:様々な用途への可能性〉
本システムでクラウド上に構造化され蓄積されるデータは、医療機関においてシステムがダウンした場合のバックアップとしての活用だけでなく、今後所定の手続きのもと医療ビッグデータとして活用されることが期待されます。これにより、医療データが蓄積することでAIによる解析が進んで創薬開発に繋がることはもちろん、医療現場に即座に「還元」されるプラットフォームの構築に寄与しました。

以上より、医学研究・創薬の活性化に繋げるとともに、災害やサイバー攻撃等で病院のシステムに障害が生じる有事の事態においても、セキュリティの担保された環境から臨床情報にアクセスし診療継続を可能とすることで、医療分野における防災対策の中核をなすことが期待できます。

今後の取組予定

クラウド上への医療情報のバックアップや標準化については、これまでも試みられていますが、様々なハードルが存在し時間を要しているのが実情でした。大阪国際がんセンターというたくさんの患者を抱える医療機関において、複数のカルテベンダーのデータをFHIR化するということを短期間で実現することができたことは大きな成果です。この取組で得た知見をもとに、この枠組みを多施設で迅速に展開することが可能です。新薬研究開発過程において必要な臨床情報をビッグデータとして蓄積できるようになることはもちろん、災害対策という日本が直面する喫緊の課題にも対応することが可能です。今後も日本のがん医療や災害医療に関する医療情報領域の進展に向けて尽力したいと考えておりますのでご理解・ご支援の程よろしくお願い申し上げます。

参考

本取組は患者還元型・臨床指向型AI創薬研究に資するプラットフォームの構築を医療機関と連携して実施し、医学研究・創薬の活性化と医師・研究者(特にAI・情報系研究者)の育成を図る厚生労働省のプロジェクト「AI創薬指向型・患者還元型・リアルタイム情報プラットフォーム事業」の一環で行われています。

用語解説

※ FHIRとは
FHIR(Fast Healthcare Interoperability Resources)は、医療情報の標準化と共有を目的とした国際規格です。これにより、異なる病院やシステム間でデータをスムーズにやり取りすることができます。

報道機関からの問い合わせ先

<AI創薬プラットフォーム事業に関するお問い合わせ先>
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 戦略企画部 広報チーム
TEL:072-641-9832 E-mail:pr@nibiohn.go.jp
<今回発表のシステムに関する技術的なお問い合わせ先>
TXP Medical株式会社  広報担当
TEL:03-5615-8433  E-mail: txp_marketing@txpmedical.com
フォーム:https://txpmedical.jp/contact/

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