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研究所

がんの早期診断に有効なマーカーの検索、また化学療法や免疫療法、放射線療法などに抵抗性のがんも含めた新たな治療法の開発を行います。いずれも高度な基礎研究から臨床応用へと発展させることにより府民の健康と、ひいては我が国、世界のがん患者への貢献を目指します。

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当センターの基本方針のひとつである「先進医療の開発と実践」を実現するために、企業主導および医師主導の開発治験を推進し、当センター独自の臨床研究の支援を行っています。また2018年からは、認定臨床研究審査委員会を置き、センター内外の特定臨床研究の審査も実施しています。

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患者さんの生体試料などの収集や提供(Cancer Cell Portがんバンク)、治験や臨床研究にかかる支援や外部との共同研究の誘致などの支援活動を通じて、病院や研究所との架け橋となり、基礎研究や臨床研究の推進・普及のために活動しています。

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1962年から継続している大阪府がん登録を基盤に、大阪府がん対策推進計画など、科学的根拠に基づくがん対策の立案および進捗管理で大阪府と協働することに加え、病院や研究所等とともに大阪国際がんセンターを構成する柱の一つとして、その理念の実践に取り組んでいます。

Go-Tech事業「早期発見された小型肺がんの切除範囲を決定するためのAI 判定支援システムの研究開発」の共同研究を開始

Press Release

2024年10月29日

 

Go-Tech事業「早期発見された小型肺がんの切除範囲を決定するための
AI 判定支援システムの研究開発」の共同研究を開始

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 地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター(以下、「当センター」という)と、日本金銭機械株式会社(代表取締役社長:上東 洋次郎)(以下、「JCM」という)は、令和6年度「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」に採択※されたことを受け、肺がんの切除範囲の決定を支援するシステムの研究開発(以下、「本共同研究」という)を開始します。
 ※経済産業省 近畿経済産業局 令和6年度成長型中小企業等研究開発支援事業の採択結果について(2024年6月24日)

https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/sapoin/2024/saitaku.html

■本共同研究の背景

 近年のがん医療の進化に伴い、多くのがんは早期段階であれば手術で完治する時代となりました。一方で肺がんは、胸部X線写真やCT画像などから早期に発見されても、画像検査や肉眼的観察で捉えにくい微小転移を既に伴っていることがあり、再発リスクが高いといわれています。従来、肺がんに対する標準的な手術は肺葉切除(以下、「従来手術」という)が行われてきましたが、画像検査技術の発達によって早期に発見されることが増えたことから、部分切除や区域切除などの小規模切除(以下、「縮小手術」という)にて、肺機能を温存し手術後の患者さんの生活の質(以下、「QOL」という)を高めることが望ましいという考えが出てきました。

 

  • *肺葉切除 :肺がんがある肺葉のみを切除する、肺がんの標準的な手術法
  • **部分切除(区域切除) :肺がんがある部分のみ(区域のみ)を切除する手術法

 

 しかし、縮小手術では、画像検査や肉眼的観察で捉えにくい微小転移を取り残して再発を来すケースがあることから、画像上は縮小手術で足りると判断される傾向にある肺がんでも、縮小手術と従来手術のいずれが適切であるか、QOLの維持と根治性の維持のバランスを考慮した手術方法の選択が求められています。そのため現在、この患者さんごとの“至適な”手術方法を決定するために、手術前や手術中に肺がんの悪性度を判断する方策が模索されています。

 これまで当センターでは、肺がん術中捺印細胞診(以下、「本細胞診」という)にて、転移をもたらし得る肺がんの悪性度を把握し、“至適な”手術方法を模索する一助として、臨床活用していました。
 本細胞診は、手術後のQOLの維持と根治性のバランスを考慮した術式選択に寄与することが期待されていますが、本細胞診は熟練を要するため、他施設での普及が進んでおらず、臨床的な評価ができていないという課題があります。

■本共同研究の概要

 本共同研究では、本細胞診をAIで支援するシステムの研究開発に共同で取り組みます。
 前述した課題の解決を図るため、当センターの豊富な経験や臨床データと、JCMの世界各国の多種多様な紙幣を識鑑別する技術やノウハウの一つである、紙幣の汚れや破損具合を判定し、状態に左右されずにあらゆる特徴を検出する画像識別・AI技術を組み合わせることで、本細胞診の熟練に要する負担を軽減させる支援システムの研究開発を行います。

■今後の展望

 本システムを用いることで、将来、QOLの維持と根治性のバランスを考慮した肺がんの切除範囲の決定の一助とするため、臨床的エビデンスの確立と技術普及を目指します。

【Go-Tech事業共同体メンバー】

【大阪国際がんセンター(当センター)について】

 当センターは、「患者の視点に立脚した高度ながん医療の提供と開発」を理念に掲げ、大阪で唯一のがん専門の医療機関として、これまで蓄積した経験を基に、がん患者さんに現在考えられる最善の治療をお届けすること、新しい治療法を開発するための研究に力を入れること、そして患者さんのQOLを維持し、苦痛や悩み事に対応し、元の生活にもどれるようにサポートすることを目指しています。
特に、難治性、希少がんを中心とした他の診療機関では診察の難しいがんに対し、高度専門医療を提供しており、がん入院患者数は全国3位(2022年DPCデータ)に位置づけられ、特定機能病院としての承認や、都道府県がん診療連携拠点病院の指定を受けるなど、がん患者さんの多い大阪府にあって、がん対策の中核的な役割を担っています。

【日本金銭機械株式会社(JCM)について】

 JCMは、カジノ業界での貨幣処理機器のパイオニアとして世界シェアNo.1を誇り、世界に認められた識鑑別技術を用いて、世界中の様々な市場(カジノ、ATM、券売機、精算機、自動販売機、各種キオスク端末機など)をターゲットに貨幣処理機器、金融関係機器、パチンコ/パチスロ市場向け機器およびソリューションの開発・製造・販売を行っております。
 JCMは、貨幣処理機器分野で培った「コアテクノロジーを革新させ、新たな価値を創造し続ける」企業となるため、医療分野での貢献に向けた新しい取り組みに挑戦しています。

【お問い合わせ先】

TEL 06-6945-1181(内線5101/5106)

地方独立行政法人 大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター

事務局 総務・広報グループ

受付時間:平日9:00~17:30

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