センター概要
総長からのごあいさつ
大阪国際がんセンターのホームページにおいでいただきありがとうございます。当センターは1959年に大阪府立成人病センターとして設立されましたが、2017年に大阪市中央区大手前の地に新築移転したのを契機に、名称も大阪国際がんセンターと変えて、新しいスタートを切りました。以来6年の月日がたち、「患者の視点に立脚した高度がん医療の提供と開発」という新しい理念の下、全ての職員が力を合わせて、しっかりとしたがん医療の基盤をつくることができたと考えています。これから次のステップとして円熟・発展する時期に入り、大阪で唯一のがん専門の医療機関として、理想的ながん医療に向けて飛躍すべく、職員一同、努力する決意です。
がん医療は近年、大きな変革を遂げました。かつて「不治の病」といわれていた時代からすると、がん患者さんの現時点の5年生存率は7割くらいあると推定されており、がんは治りうる病気になりました。治療成績の改善に伴い患者さんの生活の質(QOL)向上にも注意が払われるようになり、苦痛を取る緩和ケア、悩み事に応える相談支援なども重視されるようになりました。そして、がんを治すことは目的ではなく手段であり、最終の目的は患者さんが元の生活にもどることであり、そのための支援が求められるようになりました。
当センターはこれまで蓄積した経験を基にして、がん患者さんに現在考えられる最善の治療をお届けすること、新しい治療法を開発するための研究に力を入れること、そして患者さんのQOLを維持し、苦痛や悩み事に対応し、元の生活にもどれるようにサポートすることを目指します。
これまでの皆様方のご厚情に深甚なる謝意を表するとともに、引き続き、ご意見・ご助言をたまわりますようお願い申し上げます。
大阪国際がんセンター
総長 松浦成昭
- 設立趣旨/病院沿革
- 概要
- 組織
- 認定・資格
設立の趣旨および病院沿革
大阪府立成人病センターは、大阪府成人病予防行政の一環として昭和34年9月高血圧、心臓疾患、がんなどのいわゆる成人病の予防、早期発見およびこれらの調査、研究等を行い、府内における成人病に関する医療水準の向上を図るための中核施設として設置され、以来、数次にわたり施設の整備拡充を進めてきた。更に、昭和52年9月には、従来の業務に加え、成人病治療の専門病院を開設し、昭和53年4月には、地方公営企業法を一部適用、昭和54年6月に全床(500床)を開床した。なお、その間、昭和58年4月に附属高等看護学院を開校した。
昭和58年3月には、本館整備工事のうち動物実験室が完成し、昭和59年3月には、本館(研究所及び病院の一部)整備工事が完成した。また、平成13年3月には、研究所の新築工事が完成した。
平成18年4月には、独立法人化を行い、大阪府が直接設置する病院から、地方独立行政法人大阪府立病院機構の大阪国際がんセンターへ事業移行した。
現在、成人病に関する調査、研究、検診、診断及び治療等の業務を事務局、がん対策センター、研究所、病院が共同して推進している。
昭和33年6月 | 建設事務局設置 |
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昭和34年4月 | 大阪府成人病集団検診手数料条例(昭和34年大阪府条例第4号)制定 |
昭和34年7月 | 循環器部門完成 地下1階地上4階 延面積4,737平方メートル 附属建物646平方メートル 病床数40床 |
昭和34年8月 | 大阪府立成人病センター条例(昭和34年大阪府条例第3号)制定 |
昭和34年9月 | 大阪府立成人病センターの診療料等に関する規則 (昭和34年 大阪府規則第55号)制定 診療業務および精密健康診断(いわゆる人間ドック)開始 |
昭和36年4月 | 「がん」部門完成 地下1階地上4階 延面積3,066平方メートル 附属建物108平方メートル 病床数29床 大阪府成人病集団検診手数料規則 (昭和36年大阪府規則15号)制定 |
昭和36年6月 | 遠隔操作方式によるX線テレビ装置(世界最初) および診断用アイソトープ装置等を新設 検診車による胃集団検診開始 |
昭和37年12月 | 大阪府がん登録および院内登録事業開始 |
昭和40年5月 | 胃がん診療部門完成 地下1階地上6階 延面積7,313平方メートル 病床数111床 X線テレビ内視鏡細胞診断等による検査施設 およびベータトロン等X線治療設備新設ならびに手術室を増設 |
昭和41年4月 | 看護婦宿舎竣工 地上4階 延面積1,169平方メートル |
昭和43年3月 | 集団検診部門完成 地下1階地上6階 延面積4,958平方メートル |
昭和43年4月 | 胃の施設集団検診業務を開始 細胞診スクリーナー養成事業開始 |
昭和44年4月 | 心筋梗塞治療室(CCU)を整備 (西日本最初) |
昭和47年10月 | 附属高等看護学院の建設に着手 |
昭和48年4月 | 新病院建設準備事務室設置 附属高等看護学院開校(成人病センター6階仮校舎) |
昭和48年12月 | 附属高等看護学院校舎完成 |
昭和49年1月 | 無菌治療室を設置、治療開始 |
昭和49年3月 | 附属高等看護学院学生寮完成 |
昭和49年6月 | 循環器集団検診棟完成 地下1階地上6階 延面積1,360平方メートル |
昭和49年8月 | 成人病専門病院(仮称)の建設 (基礎工事)完成 |
昭和49年9月 | 循環器集団検診(施設)の業務開始 |
昭和49年11月 | 看護婦宿舎(五月寮)完成 |
昭和52年1月 | 新病院完成 地下1階地上12階 延面積36,798平方メートル |
昭和52年9月 | 新病院開院、病床数260床で業務開始 |
昭和53年4月 | 地方公務員企業法の一部適用のため大阪府立成人病センター事業条例制定 (昭和53年大阪府条例第7号) 機構改正:総長の下に事務局、調査部、研究所 病院および附属高等看護学院を設置 |
昭和54年6月 | 120床増床し、病床数500床 |
昭和56年5月 | 日中医学交流事業開始 上海市、江蘇省より中国研修医を受け入れ |
昭和58年3月 | 本館整備工事のうち動物実験室の整備を完成 |
昭和59年3月 | 本館(研究所及び病院の一部)整備工事完成 |
昭和60年4月 | 大阪府、東ジャワ州保健衛生交流事業開始、研修医の受入れ 肝がん、大腸がんの検診技法の研究開発事業に着手 (財)大阪がん予防検診センター設立に伴い、胃検診部門の検診車集検 および施設集検業務を移管機構改正 |
昭和63年4月 | 胃検診部門の精密集検業務を(財)大阪がん予防検診センターへ移管 |
平成元年10月 | MR棟完成、事業開始 |
平屋1階 延面積392.52平方メートル | |
平成9年3月 | 大阪府健康科学センター(仮称) 大阪府立成人病センター内視鏡検査室の整備、病床の再編整備 |
平成9年10月 | 大阪府健康科学センター(仮称) 大阪府立成人病センター研究所新築工事着手 |
平成10年4月 | 大腸がん検診業務を(財)大阪がん予防検診センターへ移管 |
平成11年4月 | 大阪府立成人病センター附属高等看護学院の募集停止 |
平成13年3月 | 集団検診部門廃止(循環器部門の廃止) 大阪府立健康科学センター(仮称) 大阪府立成人病センター研究所新築工事完成 |
平成14年3月 | 看護学院閉校 |
平成14年4月 | 臨床研修病院として厚生労働大臣指定 |
平成14年5月 | 看護宿舎廃止 |
平成14年8月 | 地域がん診療拠点病院として厚生労働大臣指定 |
平成14年12月 | ICU(集中治療室)6床を設置 |
平成15年4月 | 緩和ケアチームによる診療開始 |
平成15年6月 | (財)日本医療機能評価機構の病院機能評価の認定受ける |
平成16年4月 | 立体駐車場稼動開始 |
平成16年10月 | 患者総合相談室を設置 |
平成17年2月 | 外来化学療法室を拡充移転、治療用専用ベッドを20床に増床 |
平成18年1月 | 初診外来電話予約制度の開始 |
平成18年3月 | 特定機能病院の承認(公立病院として全国初) |
平成18年4月 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構設立、独法化して事業移行 DPC対象病院としてスタート |
平成18年5月 | 森ノ宮クリニックとのPET共同運営を開始 |
平成18年8月 | 人間ドック1泊2日コースを新設 |
平成19年1月 | 都道府県がん診療連携拠点病院の指定 緩和ケア外来開設 |
平成19年5月 | 7:1基本看護配置を開始 |
平成19年7月 | 治験拠点医療機関に指定 |
平成19年10月 | 大阪府立大学大学院看護学研究科森ノ宮サテライト教室を成人病センター内に開設 第1回成人病センター国際フォーラムを開催病理解剖者合同慰霊祭開催 |
平成20年10月 | 消化器内科を消化管内科と肝胆膵内科に再編 |
平成21年2月 | 日本病院機能評価(Ver.5.0)の正式認定を受ける。 |
平成21年3月 | 新病院建替えについての整備調査報告書をまとめる。 |
平成22年3月 | 大阪府立成人病センター整備基本構想を策定した。 |
平成23年3月 | 電子カルテの導入 |
平成24年7月 | 手術支援ロボット遠隔操作型内視鏡下手術システム「ダ ヴィンチ(da Vinci s)」導入 |
平成24年11月 | 大阪府立成人病センター整備事業者を「株式会社大阪メディカルサポートPFI」に決定 |
平成25年6月 | 日本医療機能評価機構の病院機能評価(Ver6.0)認定 |
平成25年10月 | HCU運営開始 |
平成26年3月 | 手術支援ロボット遠隔操作型内視鏡下手術システム「ダ ヴィンチS(da Vinci si)」導入 Quick In外来試行開始 |
平成26年4月 | 外来化学療法科、形成外科、歯科、緩和ケアセンターの新設 |
平成26年6月 | 大阪府立成人病センター建替え整備工事の着工 血液検査開始時刻の改善(午前7時開始) |
平成26年7月 | 麻酔科術前外来の実施、オペ・ICU情報システム稼働 |
平成27年3月 | Quick In外来・全診療科開始 |
平成27年4月 | 入退院センター、膵がんセンターの新設 |
平成28年4月 | 栄養腫瘍科、感染症内科の新設 |
平成29年3月 | 大手前に移転し「大阪国際がんセンター」に名称変更 病床数:500床 地下2階 地上13階 敷地面積:12,833㎡ 延床面積:68,329㎡次世代がん医療開発センターを新設 |
平成30年6月 | サービス企画推進部の新設 日本病院機能評価 一般病院3(Ver2.0)認定 |
平成30年7月 | 手術支援ロボット遠隔操作型内視鏡下手術システム「ダヴィンチxi(da Vinci xi)」導入 |
平成30年12月 | 笑いとがん医療の実証研究「わろてまえ劇場2018」開催(全2回) |
平成31年2月 | 患者交流棟の竣工 |
平成31年3月 | がんゲノム医療を開始 国際連携による「遠隔病理診断サポート」を実現 |
令和元年6月 | ロシア連邦保健省ロシア国立放射線医学研究センター(NMRRC)と、相互のがん医療の向上、ならびに学術研究の発展のため、協力に合意 |
令和元年9月 | がんゲノム医療拠点病院に選定 |
令和元年10月 | 医療情報共有プラットフォーム「Medical Gate」の本格導入 |
令和2年4月 | 希少がんセンターの新設 |
令和3年4月 | 小児科の新設 |
令和4年1月 | イノベーションセンターの新設 |
令和4年4月 | 胃がんセンターの新設 |
令和4年10月 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と研究推進に関する連携協定 |
令和5年9月 | がんロボット手術センターの新設 |
概要
名称 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター 総長 松浦 成昭 特定機能病院 都道府県がん診療連携拠点病院 治験拠点医療機関 日本医療機能評価機構認定病院がんゲノム医療連携病院 |
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所在地 | 〒541-8567 大阪府大阪市中央区大手前三丁目1番69号 ※詳細は『交通アクセス』をご覧ください。 電話番号:06-6945-1181(代表) |
開設者 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構 理事長 遠山 正彌 |
設立 | 昭和34年 平成18年(法人化) |
診療科 | 消化管内科/呼吸器内科/血液内科/腫瘍内科/肝胆膵内科/消化器外科/呼吸器外科/乳腺・内分泌外科/脳神経外科/整形外科/婦人科/泌尿器科/頭頸部外科/形成外科/心療・緩和科/放射線診断・IVR科/放射線腫瘍科/腫瘍循環器科/脳循環内科/心臓血管外科/眼科/内分泌代謝内科/臨床検査科/病理・細胞診断科/麻酔科/リハビリテーション科/感染症内科/歯科/腫瘍皮膚科/栄養腫瘍科/アイソトープ診療科/消化器検診科/成人病ドック科/外来化学療法科/小児科 [35診療科]
詳細は[各診療科のご案内]を参照してください。 |
病床数 | 一般病床 500床(昭和54年6月より)
500床の内 特定集中治療管理室(ICU)10床 人間ドック 8床 高度治療室(HCU)16床 |
看護職員配置基準 | 7対1看護 |
※詳細は[臨床評価指標]を参照してください。
組織
認定・資格 特定機能病院とは?
特定機能病院とは、制度化された医療機関の機能別区分のうちのひとつで、一般の病院などから紹介された高度先端医療行為を必要とする患者に対応する病院として厚生労働大臣の承認を受けた病院のことです。
一般医療機関では実施することが難しい手術や高度先進医療などの先進的な高度医療を、高度な医療機器、充実の施設の中で行うことができる病院、それが特定機能病院なのです。
【特定機能病院の主な条件】
- 高度の医療を提供・評価・開発・研修することができる。
- 内科・外科など主要な診療科が10以上ある。
- 病床(ベッド)数が400以上ある。
- 集中治療室などの高度な医療機器・施設がある。
- 医師・看護師・薬剤師らが特定数以上いる。
自治体病院初の特定機能病院
全国79の大学病院、国立循環器病センターと国立がんセンターの計81施設が承認されていましたが、2006年3月27日の社会保障審議会医療分科会にて、自治体病院としては初めて、当センターが特定機能病院の承認を受けました。
また、当センターでは、特定機能病院の入院医療包括評価制度(DPC)を平成18年4月1日より導入しております。
日本医療機能評価機構とは?
国民が適切で質の高い医療を安心して享受できることは、医療を受ける立場からは無論のこと、医療を提供する立場からも等しく望まれているところです。
国民の医療に対する信頼を揺るぎないものとし、その質の一層の向上を図るために、病院をはじめとする医療機関の機能を学術的観点から中立的な立場で評価し、その結果明らかとなった問題点の改善を支援する第三者機関として、財団法人日本医療機能評価機構が設立されました。
【評価の基準】
- 病院組織の運営と地域における役割
- 患者の権利と安全確保の体制
- 療養環境と患者サービス
- 医療提供の組織と運営
- 医療の質と安全のためのケアプロセス
- 病院の運営管理の合理性
日本医療機能評価機構認定病院 当センターは、現在、3rdG:Ver.2.0の認定留保であり、再審査準備中です。
・ 財団法人 日本医療機能評価機構のホームページへ
・ 医療法施行規則第9条の20の2 第13項の2に係る第3者評価の公表について
大阪国際がんセンターは「都道府県がん診療連携拠点病院」の指定を受けました 我が国のがん対策について、厚生労働省では、平成16年度から「第3次対がん10か年総合戦略」に基づき、各種の施策を推進し、全国どこでも質の高いがん医療を受けることができるよう、がん医療の「均てん化」を図ることを戦略目標として掲げ、地域がん診療拠点病院の機能の充実強化や診療連携体制の確保などを推進するため、「がん診療連携拠点病院の整備に関する指針」を平成18年2月に定めました。
同指針により、当センターは大阪府からの推薦を受け、平成19年1月31日付で「都道府県がん診療連携拠点病院」に指定されました。
都道府県がん診療連携拠点病院とは?
- 都道府県がん診療連携拠点病院は、都道府県の中心的ながん診療機能を担い、下記の機能を有する病院です。
- 地域がん診療連携拠点病院等に対する情報提供、症例相談等を行います。
- 都道府県がん診療連携協議会を設置し、当該協議会は下記の事項を行います。
(1)地域におけるがん診療連携体制等がん医療に関する情報交換を行います。
(2)都道府県内の院内がん登録データの分析、評価等を行います。
(3)都道府県レベルの研修計画、診療支援医師の派遣調整を行います。
(4)地域連携クリティカルパスを整備していきます。
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