糖鎖オンコロジー部
スタッフ
谷口 直之 | 部長(研究所長 兼任) https://researchmap.jp/read0013639 |
原田 陽一郎 | チームリーダー 大阪大学医学系研究科連携大学院分子腫瘍医学教授併任 https://researchmap.jp/harada_yoichiro |
大川 祐樹 | チームリーダー 大阪大学医学系研究科連携大学院分子腫瘍医学准教授併任 https://researchmap.jp/yohkawa |
岡本 三紀 | チームリーダー(旧 分子生物学部) |
栗原 大輝 | 研究員 |
阿部 純平 | 研究員 |
貫戸 紀子 | 技術補助員 |
藤縄 玲子 | 技術補助員 |
草川 美幸 | 事務員補助 |
史 暘(シ ヨウ) | 大阪大学大学院医学系研究科連携大学院生 |
王 梓溦(オウ シビ) | 大阪大学大学院医学系研究科連携大学院生 |
岡本 朋子 | 大阪大学大学院医学系研究科大学院生 |
研究テーマ
ゲノムやプロテオームの研究では解明できない分野の代表的なものが糖鎖科学(グライコサイエンス)です。糖鎖が様々な疾患に深く関わることは広く知られており、糖鎖発現の変動を指標としたがんなどのバイオマーカーが実際に臨床の現場で使われています。またインフルエンザやCOVID-19など多くの感染症における糖鎖の役割が知られています。糖鎖合成酵素の遺伝子(糖鎖遺伝子とよぶ)のノックアウトマウス等を用いた多くの基礎研究から、様々な疾患において特定の糖鎖変化が発症の一因となっており、有望な治療標的の一つであることが明らかになっています。本部門では、こうしたグライコサイエンスの知見に立脚し、糖鎖をターゲットにしたがんおよび関連疾患の基礎研究を推進しています。
我々のグループは30年以上にわたる糖鎖研究の中で、糖タンパク質のN型糖鎖(1Stanley, Taniguchi et al. Essential Glycobiology 3rd edition 2017)Essentials of Glycobiology – NCBI Bookshelf (nih.gov)の生合成に必須の糖転移酵素を世界に先駆けて数多く精製・クローニングしました。それらの糖鎖遺伝子のノックアウトマウスの解析から、N型糖鎖付加の異常が、がん、アルツハイマー病、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を初めとする現代社会を脅かす疾患を引き起こすことを明らかにしてきました(図)。
(2Taniguhci and Korekane, BMB Report 2011, 3Takahashi et al., Mol. Asp. Med., 2016; 4Taniguchi and Kizuka、Adv. Cancer Res. 2015)。また特定の糖鎖の変化は、老化にも関わることを報告しており(5Vanhooren V, et al. Aging Cell, 2011)、現代の長寿社会における医療課題の解決には糖鎖のさらなる理解が重要であると考えられます。具体的には、図の中で囲ったBisecting GlcNAc(バイセクトと略)、コアフコース、2つのβ1,6GlcNAc branch(β1,6分岐と略,別々の酵素で生成される)と呼ばれる4つの糖鎖構造と、それを合成する糖転移酵素とその遺伝子に着目してきました。そして、これらの糖鎖が付加されることにより、特定の糖タンパク質の糖鎖を構成し、がんの進展や転移に深くかかわることなどを明らかにしてきました(6Yoshimura et al. Proc. Natl Acad Sci., 1995., 7Yoshimura et al. J Biol Chem 1996, 8Saito et al. J Bio. Chem 2003)。特にがんやがん転移には上皮間葉転換(EMT)と呼ばれる現象と、その逆の現象のMET(間葉上皮転換)や、その中間状態において、特定の糖鎖を合成する遺伝子が強くかかわっていることが知られています(9Taniguchi et al. Mol. Aspets Med, 2020)。このようなことから、我々は、糖鎖とその誘導体が、がん、 COPD、アルツハイマー病などの新しい創薬標的となる可能性が高いことを明らかにしてきました。がん細胞ではGnT-Vによるβ1,6分岐鎖の増加が、がんの転移に深くかかわります(10Taniguchi et al. Biochim Biophys Acta 1999、11Tian et al. Pathology11)。それに反してGnT-IIIによるバイセクト糖鎖の発現が高いと、転移が抑制されます。一方脳では、GnT-Iiiを欠損させるとアルツハイマー病の原因とされるアミロイドβ(Aβ)ペプチドの産生および脳内蓄積を激減させ、記憶能力の低下を抑えることを明らかにし、またそのメカニズムは、Aβ産生酵素であるBACE1の局在を変化させるというユニークな点であることを突き止めています(Kizuka et al., EMBO Mol. Med., 2015; 12Biochem. J., 2016)。またコアフコース糖鎖では、その発現レベルが様々ながんの悪性度と正の相関があることや、コアフコースの欠損が肝がんの抑制効果をもたらすことなどを明らかにしています(13Wang et al., Sci. Rep., 2015)。そしてそのメカニズムとして、コアフコースがEGF、PDGF、TGF、インテグリン、E-cadherinなどの種々の増殖因子受容体や接着分子の機能を調節することを明らかにしてきました(14 Wang et al.,Proc Natl Acad Sci. USA 2005 15 J. Biol. Chem.2006、16Zhao et al. J Biol Chem 2006、 17Zhao et al. FEBS J, 2008,))。最近コアフコースは、肝がん、非小細胞性肺がん、膵臓がん、卵巣がん、前立がん、乳がん、甲状腺がん、黒色腫などの患者のがん組織で発現上昇が確認されており、また化学療法への耐性に関与しており、がんにおける新たな治療標的になると考えられます.
また最近では、肺がんのリスク因子でもあるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)(現在世界の死亡原因の第4位を占め、肺がんのリスクも2,5-5倍とされています)にグリコサミノグリカン糖鎖が関与することを発見しています。ケラタン硫酸と呼ばれるグリコサミノグリカン糖鎖は、COPDの最大のリスク因子である喫煙でその発現が低下し、ケラタン硫酸の部分構造であるL4と呼ばれる糖鎖やその誘導体を投与することで肺の炎症が抑制され、COPDの進行が抑えられることがモデルマウスの解析から明らかになっています(18Gao et al., Am. J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol., 2017)。L4は抗炎症効果があることから、現在さらに効果が期待される誘導体を合成して研究を続けています。L4はC型レクチンであるLangerinを受容体としています。この受容体を介したシグナルによって、ウイルスや細菌感染によるCOPDの増悪を抑制したり、抗がん剤の副作用を軽減する可能性があり、現在原因が不明な間質性肺炎などとのかかわりも臨床の諸先生と共同で研究中です。このように生理活性を有する糖鎖を治療薬の候補として用いるアプローチが可能になってきています(19 Ohkawa et al. Biochem Soc Trans. 2021)。
また、我々は、細胞外小胞(EV と略)の観点からもがん研究を展開しています。EV はナノメートル(10 億分の 1 メートル)サイズの小さな袋状の物質で、がん細胞からたくさん分泌されます。この EV にはがんの増殖や転移を助ける働きがあるため、がんの治療標的として期待されています。我々は、がん細胞が好むグルコースに似た物質(2-デオキシグルコース)が、がんの転移に関わる EV の分泌を抑えることを突き止めています(20 Harada et al., Cell Rep. 2020, Harada et al. STAR Protoc 2021)。その仕組みには N 型糖鎖が深く関わっているため、N 型糖鎖ががん転移の治療標的になると考えられます。がん細胞が分泌する EV の中には、がんの検出や診断に有用な情報が入っています。N 型糖鎖もそのうちの1つですが、我々は EV の N 型糖鎖の構造を調べることで肺がんの種類を診断できる可能性を見出しています(Harada et al., J Biol Chem. 2022, in press)。肺がんは大きく小細胞肺がんと非小細胞肺がんに分かれ、肺がんの性格や治療法が全く異なります。現在の医療では、患者さんの身体から細胞を取って顕微鏡で見ないとどちらか分かりませんが、細胞を取るには出血などの危険性を伴います。EV は血液や尿などの体液にも出てきますので、患者さんの体液を用いた危険性の少ない診断方法への道が開かれました。
現在、いわゆる腫瘍マーカーとして、よく知られていますように、PSA,CEA,CA125など診断や治療経過に有用な手段として使われています。一方でいわゆる早期がんの状態や、前がん病変とされ、将来がんに発展する確率が高い疾患での確定的なバイオマーカーは残念ながらほとんどありません。最近、大川チームリーダーらは、N-結合型糖鎖コアフコースに特異的に結合する世界初のモノクローン抗体を用いて、肺がんや間質性肺炎などの早期診断に有効である可能性を示しています。今後更に症例数を増やして確認する予定で、いわゆる早期がんや前がん病変に特異的なバイオマーカーを実用化するプロジェクトが進行中です。
以上のように、これらの糖鎖の発現・機能・代謝を制御することは、がん、COPD、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病などへの診断治療効果が期待でき、糖鎖の発現・機能を抑制もしくは模倣する糖鎖創薬への道を拓くものです。
現在、本プロジェクトでは、グライコサイエンスにおける長年の経験と実績に基づき、次の様な研究を実施しています。
2) がん、炎症、老化などにおける糖鎖の役割と早期診断のための糖鎖バイオマーカーの検索
3)糖代謝を軸とするがんの新たな制御法に関する研究
また大阪大学医学系研究科―OICI 連携講座(分子腫瘍医学)の大学院生(修士課程及び博士課程)2名が在籍しています。現在、大阪大学医学系研究科保健医学専攻(三善英知教授)の学生達が研修生として本グループで実験をしております。現在も大学院生を募集中です。
4)尿中などの遊離糖鎖構造の解析をHPLCや質量分析法で行い、がんのバイオマーカーへの応用研究
5) 新たながん制御法の創出を目指したケミカルバイオロジー研究
1. Stanley, P.; Taniguchi, N.; Aebi, M., N-Glycans. In Essentials of Glycobiology, Varki, A.; Cummings, R. D.; Esko, J. D.; Stanley, P.; Hart, G. W.; Aebi, M.; Darvill, A. G.; Kinoshita, T.; Packer, N. H.; Prestegard, J. H.; Schnaar, R. L.; Seeberger, P. H., Eds. Cold Spring Harbor Laboratory Press
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