後期臨床研修 腫瘍皮膚科

腫瘍皮膚科カリキュラムのご案内

1.はじめに

 「腫瘍皮膚科」という名称を聞き慣れない方もおられると思いますが、悪性腫瘍を中心とする腫瘍の診断と治療だけでなく、腫瘍の診療全てに関係する皮膚症状についての診療を行う、いわば腫瘍とそれに随伴する病態の診療に特化した診療科です。皮膚がんの治療に関しては、体表から容易にアプローチできるという特性もあって外科的手術が最も重要な治療法で、多くの症例の切除と再建を行っています。またわが国の皮膚がんでは進行期の症例が占める割合が多いことが特徴の一つであり、薬物療法や放射線療法など手術以外の治療法やこれらを組み合わせた集学的治療が重要です。当科では、こうした進行期の症例が数多く集まるため、集学的治療を積極的に行っています。治療対象の主体は悪性黒色腫であり、抗PD-1抗体の開発がこの腫瘍から始まったように、現在でも世界的に悪性黒色腫が免疫療法開発の先導役を務めています。当科ではこういった皮膚がんの様々な手術を経験できるだけでなく、免疫療法やさらには集学的治療を念頭に置いた診断と治療を数多く経験することができます。一般皮膚科としては、薬疹をはじめとする担癌患者に生じやすい様々な疾患を経験することができます。

2.コースの概要

 当科は大阪大学皮膚科を研修基幹施設とする皮膚科研修プログラムによる研修連携施設です。大阪大学研修プログラムの一環として、当院で皮膚腫瘍に関する研修を2年間行い、それ以外の領域に関しては、大阪大学や他の研修連携施設で行うことになります。大阪大学以外の研修プログラムに参加中の方が当科で研修を望まれることも歓迎いたします。この場合の研修基幹に関しては、それぞれの基幹施設と相談の上で決めることになりますが、短期間から2年間まで、可能な限り研修される本人の希望を容れることが可能です。また研修を終了された方や初期研修中の方で皮膚腫瘍診療を経験してみたいという方も喜んで受け入れいたします。

3.目標とする習得資格

  • 日本皮膚科学会専門医
  • がん治療認定医
  • 日本皮膚科学会皮膚悪性腫瘍指導専門医

4.長期目標

  • 良性・悪性脳腫瘍に対して適切な治療方針がたてられる。
  • 頻度の非腫瘍性皮膚疾患(薬疹)等の診断と治療を適切に行える。
  • 皮膚悪性腫瘍に対する標準治療を理解する。
  • 一般的な腫瘍性・非腫瘍性皮膚疾患の病理診断を行える。
  • 臨床研究や基礎研究に対するアプローチの仕方を習得する。

5.習得手技

外科的手技に関して:皮膚生検、切開、縫合など皮膚外科に関する基本手技に加えて、皮膚腫瘍切除、遊離植皮、簡単な局所皮弁、リンパ節生検等が指導医の指導の下に自分で行えるように技術習得を目指す。さらには複雑な悪性腫瘍切除やリンパ節郭清術などの助手を務められるようになることを目標とする。

 

さらに診断能力として以下の習得を目標とする

  • ダーモスコピー検査、皮膚エコー検査などの臨床検査手技
  • 皮内テスト、スクラッチテスト、プリックテストなどのアレルギー診断手技
  • 頻度の多い皮膚疾患・皮膚腫瘍に関する皮膚病理組織診断

6.研修期間

1〜2年 (1ヶ月から半年間の短期の研修も相談により可能)

7.募集人数

毎年1〜2名(短期研修を除く)

8.診療科の手術件数、経験目標症例数

全身麻酔による皮膚悪性腫瘍手術数は年間約150例

 

第1助手として年間30例以上の手術経験
執刀医として年間30例以上の手術経験(局所麻酔手術も含む)
入院薬物療法は年間20例以上

9.診療科の指導体制

主任部長:爲政大幾(専門:皮膚腫瘍、皮膚外科、母斑症、皮膚潰瘍、一般皮膚科)
副部長:大江秀一(専門:皮膚腫瘍、皮膚外科、一般皮膚科)

10.コンセプト

世界最高水準の皮膚悪性腫瘍診療の提供

11.大阪国際がんセンター研修終了後

研修終了後の進路は、本人の希望を優先します。もし未定であれば相談にのります。

12.問い合わせ

腫瘍皮膚科主任部長 爲政 大幾(いせい たいき)

 

大阪国際がんセンター事務局 人事グループ

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