頭頸部外科(耳鼻咽喉科)
- 診療内容 / 実績
- スタッフ紹介
- 外来診療表
根治性と機能・形態の温存の両面から、最適な治療法を提供します。
頭頸部がんは、舌がん・口腔がん、喉頭がん、咽頭がん、鼻副鼻腔がん、唾液腺がん、甲状腺がんなど耳鼻咽喉科領域の様々ながんを含む総称です。当科ではこれらのがんに対して、手術のみならず、放射線治療や化学療法を駆使して、治療後の機能障害を最小限に抑えながら根治を目指す治療を行っています。
多くの進行がんに対しては、形成外科と密接に協力して切除後の再建を行うことにより、よりよい機能や形態の温存を図ってきました。遊離組織移植による再建手術の際の微小血管吻合術の成功率は99%以上を達成しています。放射線治療は放射線腫瘍科の協力によりIMRTを用いることで、口腔内乾燥や味覚障害などの有害事象が最小限に抑えられるようになってきています。また、上顎がんに対しては、放射線診断・IVR科との協力も得て超選択的動注化学療法による機能温存治療を行っています。一方、内視鏡の進歩により診断可能となってきた微小な表在性咽喉頭がんに対しては、消化管内科と協力し全身麻酔下の内視鏡的切除術を取り入れ、より低侵襲な治療を継続して行っています。また、院内に喉頭摘出者の会( 成喉会) を常設し、術後の代用音声獲得等のリハビリにも尽力しています。
主要疾患
舌・口腔がん、喉頭がん、咽頭がん、鼻副鼻腔・唾液腺・甲状腺等のがん
治療ポリシー
○手術・放射線治療・化学療法を駆使して救命を第一とする一方で、快適に社会生活を送るために不可欠な機能や形態の温存を重視します。
○言語療法士、作業療法士など関係医療従事者との協力体制をとり、嚥下や頸部運動機能のリハビリにも力を入れます。
主な治療について
頭頸部がんは種類も多く、患者さんの病状に応じてさまざまな治療法を組み合わせた集学的治療を行っています。
また扱う症例数が多いことから、熟練した技術を持ち、患者さんの身体への負担や合併症のリスクも少ないのが特徴です 。
治療法 | 入院および外来 | 所要日数 |
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手術(再建) | 入院 | 1~2ヵ月 |
手術 | 入院 | 1~2週間 |
放射線治療 | 外来 | 6~7週間(30~35回) |
化学放射線療法 | 入院および外来 | 抗がん剤治療時、入院(2~3週間) 放射線治療は外来で6~7週間 |
化学療法(点滴) | 入院 | 3週間~ |
- 再建手術
- 進行がんに対して、広範切除後、遊離組織移植(自分の身体のある部分の組織を他の部位に移植)を行い、 本来の形状やできるだけもとに近い機能に再建します。
- 喉頭温存手術
- 喉頭の働きを残してがんの切除を行う手術です。
他院で喉頭全摘が必要と言われた場合や放射線治療で治らなかった場合でも、喉頭機能を残すことが可能な場合もあります。 - その他の治療
- 鼻・副鼻腔がんに対する超選択的動注化学放射線療法(放射線科と協同)、頭蓋底手術(脳神経外科と協同)、咽喉頭表在癌に対する内視鏡手術(消化管内科と協同)など各専門部門と連携した治療を行っています。
診療実績
最新の日本頭頸部癌学会の全国悪性腫瘍登録では、2019年症例施設別登録数が全国No.1となっています。大阪府内のシェア率も23.6%と、頭頸部がん患者さんの約4人に1人が当センターで治療を受けています。
2020年の新規頭頸部がん患者さん数は、咽頭がん209例、舌・口腔がん102例、喉頭がん60例、甲状腺がん44例、鼻・副鼻腔がん23例、 唾液腺がん12例、その他の悪性腫瘍12例でした。年間手術数は486件で、そのうち遊離組織移植術による再建手術が77件、内視鏡下粘膜切除術を含む経口的咽喉頭手術が97件でした。
症例数 | I期 | II期 | III期 | IV期 | 全症例 | ||
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喉頭がん | 5年 粗生存率 | 258 | 89% | 79% | 71% | 61% | 78% |
喉頭温存率 | 96% | 82% | 58% | 43% | 76% | 下咽頭がん | 5年 粗生存率 | 379 | 84% | 80% | 72% | 51% | 70% |
喉頭温存率 | 93% | 83% | 70% | 54% | 75% | ||
中咽頭がん | 5年 粗生存率 | 274 | 74% | 82% | 77% | 73% | 76% |
口腔がん | 5年 粗生存率 | 336 | 87% | 77% | 81% | 61% | 76% |
(2012~2016年の初診症例)
学会認定
● 日本耳鼻咽喉科学会専門医研修施設
● 日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医研修施設
● 日本気管食道科学会気管食道科専門医研修施設(咽喉系)
● 日本形成外科学会教育関連施設
スタッフ紹介
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主任部長
藤井 隆
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副部長
喜井 正士
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副部長
宮部 淳二
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医員
是松 瑞樹
職 名 | 氏 名 | 専門分野 | 認定医/専門医/指導医 |
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主任部長 | 藤井 隆 | 頭頸部外科 | 日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医 日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医・指導医 日本気管食道科学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
副部長 | 喜井 正士 | 頭頸部外科 | 日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医 日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
副部長 | 宮部 淳二 | 頭頸部外科 | 日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医 |
医長 | 北村 公二 | 頭頸部外科 | 日本耳鼻咽喉科学会専門医 |
医員 | 是松 瑞樹 | 頭頸部外科 | 日本耳鼻咽喉科学会専門医 |
レジデント | 青木 健剛 | 頭頸部外科 | 日本耳鼻咽喉科学会専門医 |
レジデント | 福武 純子 | ||
レジデント | 浅井 拓也 | ||
レジデント | 上村 健太 | ||
レジデント | 末方 由 | ||
回数報酬医 | 音在 信治 | 日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医 日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医 |
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非常勤医 | 鈴木 基之 | 日本耳鼻咽喉科学会専門医・指導医 日本頭頸部外科学会頭頸部がん専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 |
外来診療表
診察室 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |||||
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AM | PM | AM | PM | AM | PM | AM | PM | AM | PM | |
87 | 頭頸部Ⅰ | 喜井 | 頭頸部Ⅰ | 藤井隆 | 頭頸部Ⅰ | |||||
88 | 頭頸部Ⅰ | 北村 | 頭頸部Ⅰ | 是松 | 頭頸部Ⅰ | |||||
90 | 腫瘍外来(第1・2・3週) ヴォイスプロテーゼ(第4週) |
宮部 | 青木 | (第2週PM) ☆鈴木基 |
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91 | ☆音在 |
☆は非常勤医師です