後期臨床研修 形成外科
形成外科カリキュラムのご案内
1.はじめに
形成外科専門医を目指している皆様専門医取得後に再建外科を究めたい皆様形成外科は、あらゆる外科の中でも、手術が重要です。もちろん、疾患や解剖の知識も必要ですが、形成外科医の扱う領域は全身すべてに渡り、関連各科と連携しながら、術前のプランニングをし、質の高い手術を行い、合併症を予防する術後管理をして、患者さんの高いQOLを維持することが求められます。大阪国際がんセンター形成外科は耳鼻咽喉科内で診療を行っていましたが、2014年度から独立診療科となりました。総合病院の一般形成外科とは異なり、再建外科に特化しているのが特徴で、遊離皮弁を用いた頭頸部再建を中心に、乳房再建、食道再建、軟部組織再建といった分野で全国でも有数の症例数を誇ります。手術室でしか経験のできない密度の高い研修環境を提供します。再建外科に興味のある方はどなたでもお問い合わせください。
形成外科 主任部長 栗田 智之
2.コースの概要
2年間の初期臨床研修終了以降、専門医取得前であれば、習熟度に応じたプログラムを柔軟に設定します。日本形成外科学会専門医取得のための教育関連施設ですが、専門医取得に必要な再建外科以外の一般形成外科症例は乏しいため、2年以内の研修となります。
専門医取得後の方も、再建外科に絞って修練を積みたい方は受け入れます。
3.目標とする習得資格
- 日本形成外科学会専門医
4.長期目標
- 形成外科医として求められる責任を理解し、関連各科との連携ができる。
- 患者さんのQOLを考慮し、再建外科の症例に応じた術式の選択ができる。
- 再建外科の基本手技に習熟し、基本的な手術の術者が安全にできる。
- 高度な再建外科手術の第一助手として、指導医を円滑にサポートできる。
- 術中のトラブル、術後合併症に対しても、指導医のもとで適切な対応ができる。
- 臨床研究、学会発表、論文作成を積極的に行う。
5.習得手技
形成外科基本手技(切開、真皮縫合、創傷処理、植皮)
さまざまな局所皮弁
有茎皮弁移植(広背筋皮弁、腹直筋皮弁など)
血管吻合を要する遊離皮弁移植(前外側大腿皮弁、遊離空腸、遊離深下腹壁動脈穿通枝皮弁など)
人工物を用いた再建(乳房再建など)
6.研修期間
2年以内
7.募集人数
同時期に2名以内
8.診療科の手術件数、経験目標症例数
2019年の形成外科手術件数は274件でした。そのうち、腫瘍切除後の組織欠損に対する一次再建は216件(頭頸部外科94件、乳腺外科109件、その他13件)でした。現在のところ、指導医は2名であり、研修者は実質的に全手術症例に術者または助手で関わることになります。
9.診療科の指導体制
栗田智之
形成再建外科全般
形成再建外科手術において最も重要なことは、移植組織を含めた組織の血行に配慮することです。血行を保った安全な皮弁挙上、確実な血行再建が合併症予防に必要です。そのための技術だけでなく、広い視野で術野を見る姿勢を身につけていただくように、丁寧に指導致します。
10.コンセプト
当科は形成再建外科に特化した豊富な症例数があり、形成外科の基本手技から、高度な再建症例まで、経験値を高めるのに恵まれた環境にあります。症例の大部分は悪性腫瘍を持つ患者さんであり、関連各科と連携しながら、悪性腫瘍治療に関する幅広い知識と技術を身につけることが可能です。
学術活動についても、日常臨床の場で問題意識を持ちながらテーマを見つけ、より質の高い診療を目指して学会発表、論文作成を積極的に行って頂くよう指導していきます。
11.大阪国際がんセンター研修終了後
研修終了後の進路は、本人の希望を優先します。もし未定であれば相談にのります。
12.問い合わせ
形成外科 部長 栗田 智之
大阪国際がんセンター事務局 人事グループ
〒541-8567 大阪市中央区大手前3-1-69
電話:06-6945-1181
メールアドレス:jinji#oici.jp(#を@に変えてください。)