消化器外科レジデント 肝胆膵外科高度技能医研修コース
1.はじめに
2.コースの概要
日本肝胆膵外科学会高度技能専門医制度の教育施設実地修練計画書に基づき、肝胆膵外 科領域における高度な専門知識と主体的かつ的確な技術を擁する肝胆膵外科高度技能専 門医(以下、高度技能専門医)応募資格の取得を目指すことを最終目標とする。対象は、日本外科学会専門医制度の教育施設実地修練計画書に基づき、外科専門医となるための外科的知識や診療技術の研修を終了した卒後5年目以降の肝胆膵外科医を志す医師。高度技能専門医取得に必須の日本消化器外科学会専門医資格取得を満たしつつ、高度技能専門医に 必要な資質と症例数を経験することを目標とする。
3.目標とする習得資格
- 日本消化器外科学会専門医受験資格
- 日本肝胆膵外科学会肝胆膵外科高度技能専門医受験資格
- 日本がん治療認定医機構がん治療認定医申請資格
4.長期目標
日本肝胆膵外科学会肝胆膵外科高度技能専門医取得
5.取得手技
肝胆膵外科高度技能専門医に必須とされる下記、高難度肝胆膵手術手技
- 肝三区域切除
- 肝葉切除および拡大肝葉切除
- 肝中央二区域切除
- 区域切除;後区域、前区域、内側区域(外側区域は除く)
- 亜区域切除(S1,S2,S3,S5,S6,S7,S8,)
- 胆管切除を伴う肝切除(ただし、肝葉切除および肝 S4a+S5 切除以上)
- 胆嚢胆管切除+胆管消化管吻合(先天性胆道拡張症に対するもののみ)
- 膵全摘術(残膵全摘も含む)
- 膵頭十二指腸切除(幽門輪温存を含む)
- 膵体尾部切除(D2 リンパ節郭清を伴った膵癌に限る)
- 膵中央切除
- 十二指腸温存膵頭部切除
- 膵頭温存十二指腸切除
- 門脈切除再建を伴う肝胆膵領域の手術
- 肝部下大静脈再建を伴う肝胆膵領域の手術
- 肝静脈切除再建を伴う肝胆膵領域の手術
- 上腸間膜動脈切除再建を伴う肝胆膵領域の手術
- 肝動脈(腹腔動脈系)切除再建を伴う肝胆膵領域の手術
6.研修期間
4年間(初期研修終了者)
初期研修終了後、外科後期研修中の途中参加も可能(卒後5年目以降)
7.募集人数
1~2名
8.診療科の手術件数、経験目標症例数
2020年手術件数
手術 | 手術件数(2020年) | 経験目標件数*(4年間) |
肝胆膵外科手術 | 258 | 200 |
肝胆膵高難度手術 | 162 | 150 |
*受け持ち症例数(助手も含む)
9.診療科の指導体制*
診療科医師数 常勤 5名、非常勤 2~3名
診療科研修の指導にあたる医師 3名
主として研修指導にあたる医師の氏名 和田 浩志(肝胆担当 高度技能専門医)
秋田 裕史(膵担当 高度技能専門医)
飛鳥井 慶(肝胆膵 高度技能専門医)
10.コンセプト
2011年6月、世界で初めて肝胆膵外科での高度の技能を有する者を認定する 「肝胆膵外科高度技能専門医制度」が誕生した。これまで日本外科学会専門医や日本消化器外科学会専門医の規定では、 高難度の肝胆膵外科手術をこなせるかどうかについては、課題にされていなかった。それに対し、日本肝胆膵外科学会が行っている高度技能専門医制度は、「高難度肝胆膵外科手術をより安全に、かつ確実に行うことができる外科医を育てること」を趣旨としている。この資格を得るには、高度技能指導医のもと、high volume center といえる修練施設で症例経験を積み、認定基準に定められた高難度肝胆膵外科手術50例以上を、修練施設で高度技能指導医または高度技能専門医の指導(指導的助手を意味する)の下で術者として行う事が必要で、申請時直近の7年以内に3年以上(申請日前年の12月 31日まで)の修練期間中に目標手術件数を経験することが求められている。ただ、実際に高難度手術を年間100例以上施行している施設は非常に少なく、50例の術者経験を得るには、かなりの年月を要するのが現状である。一方で、当施設では年間150例以上の肝胆膵高難度手術を施行しており、申請基準となる50例を最短で取得出来るだけでなく、多くの高難度手術を短期間に経験できることで、真の手術スキルを兼ね備えた肝胆膵高度技能専門医の育成を目指す。
11.一般目標
高難度肝胆膵外科手術50例以上を術者として行う事
12.給与・待遇
病院HPのレジデント募集(https://oici.jp/hospital/medical/rinsyou/koukireinsho/)をご参照ください。
13.問い合わせ先
大阪国際がんセンター 消化器外科副部長
秋田 裕史
E-mail: hirofumi.akita@oici.jp