後期臨床研修 泌尿器科

泌尿器科カリキュラムのご案内

1.はじめに

 最近の泌尿器科領域ではロボット支援手術などの低侵襲性手術の進歩と普及が著しく、QOLを重視するという方向へ着実に進んでいます。 泌尿器科の扱う範囲は尿路性器 (副腎、腎、腎盂尿管、膀胱、尿道、前立腺、精巣) がん、尿路感染症、排尿機能障害、腎機能障害、尿路結石、男性不妊症、性機能障害など多岐にわたりますが、大阪国際がんセンター泌尿器科は尿路性器がんを主たる治療対象とする、いわゆるがんセンターの泌尿器科です。
 そのため治療が困難なハイリスク症例や進行癌症例が他施設より多く、常に患者や家族とのコミュニケーション、症例検討会を通じてより実際的で有効な治療法を模索し、治療効果、QOLを考慮した診療を日々実践しています。また当科の特徴は、腎がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣がんそれぞれの分野に精通したスタッフがそろっていること、スタッフの合議により治療方針を決定しているため診断、治療の正当な考え方を身につけることができることです。短期間に多くの泌尿器がん症例を経験し、泌尿器がん診療を効率よく習得するためには絶好の施設であると考えます。

 学会発表や論文を発表することも積極的に指導しています。これらは自分の考えを論理的に組み立てることに役立ち、さらに異なった他人の論理にも遭遇することで一段と成長を自覚することができると思います。大阪国際がんセンター泌尿器科の研修がみなさんの将来に役立ち、幅広い修練の1コマとなることをお約束します。

2.コースの概要

 2年間の初期臨床研修を終了したものを対象とし、泌尿器癌の診療を行う上で高度な知識と技術を習得することを目的としています。
専門医取得までの期間の中の1〜2年を当院で集中的に泌尿器癌診療の研修を行うことで、泌尿器科診療の中心となる癌診療を効率よく研修できます。
また、大阪大学または関連施設もローテートする事で一般泌尿器診療の技術習得も可能です(下図参照)。

3.目標とする習得資格

  • 泌尿器科専門医
  • 泌尿器腹腔鏡技術認定医
  • 内視鏡外科技術認定医
  • がん治療認定医

4.長期目標

  • 泌尿器癌診療における診断、治療の立案ができる。
  • 尿道膀胱鏡、造影検査を遂行できる。周術期管理、化学療法が行える。
  • 標準的な泌尿器科手術を指導医のもとで遂行できる。
  • 泌尿器癌診療における適切な治療方針を立案できる。
  • 手術術式の選択(アプローチの方法等)ができる。
  • 腹腔鏡手術を指導医のもとで遂行できる。
  • 周術期、化学療法、放射線療法の合併症に対し、適切に対応できる。
  • 緩和ケアの基本的能力を身につける(緩和ケア研修を受講するなど)

5.習得手技

尿道膀胱鏡、逆行性尿管ステント留置、経皮的腎瘻造設、前立腺生検、経尿道的膀胱腫瘍・前立腺切除、標準開腹術式(腎、尿管、膀胱、前立腺)、腹腔鏡下手術(副腎・腎)、ロボット支援手術(腎、前立腺、膀胱)

6.研修期間

① 1〜2年

② 2年

7.募集人数

2人

8.診療科の手術件数、経験目標症例数

腎癌:年間約70例、
開腹・腹腔鏡手術、ロボット手術の術者または助手(30例)

 

前立腺癌:年間約100件、
ロボット手術の術者または助手 (30例)

 

膀胱癌:約200件、内視鏡手術180件 膀胱全摘除術(ロボット手術含む)20例
内視鏡手術の術者または助手(40例)、膀胱全摘除術(ロボット手術含む)の術者または助手(10例)

 

精巣腫瘍:年間約10例
術者または助手5例

 

副腎または後腹膜腫瘍:年間約10例
開腹手術の第1助手または第2助手(3例)、腹腔鏡手術の術者または助手(3例)

9.診療科の指導体制

主として指導に当たる医師

中井康友、永原啓、川村憲彦、林拓自、吉村明洋

最終責任医師 中山雅志

10.コンセプト 

 泌尿器科専門医に必要な癌診療の基本的事項を習得し、泌尿器癌の腹腔鏡手術から集学的治療を習得するプログラムから成ります。当センター泌尿器科では、早期癌に対する低侵襲治療(腹腔鏡手術)から進行癌に対する集学的治療(放射線化学療法、化学療法後手術±免疫療法等)まで幅広く行なっています。このような臨床修練だけではなく、学会発表や論文発表も指導します。

11.大阪国際がんセンター研修終了後

研修終了後の進路は、本人の希望を優先します。もし未定であれば相談にのります。

12.お問い合わせ

泌尿器科 主任部長 中山雅志

 

大阪国際がんセンター事務局 人事グループ

〒541-8567 大阪市中央区大手前3-1-69

電話:06-6945-1181

メールアドレス:jinji#oici.jp(#を@に変えてください。)

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