後期臨床研修 整形外科

整形外科カリキュラムのご案内

1.はじめに

整形外科医を目指すみなさんへ

 

 高齢化社会となり、整形外科医のニーズはどんどん高まっています。ほとんどの患者さんは運動器の「痛み」を主訴として受診されますが、みなさんは誤診をしない自身はありますか?あなたが日常診ている高齢者の中に、たくさんの骨転移患者さんが潜んでいます。あなたはそれを正しく診断し、正しく紹介することが出来ますか?当院では骨転移患者さんが溢れています。整形外科医として、骨転移患者さんをどう診断し、どう治療を考えるかの鍛錬を行うことが出来ます。

 骨折や人工関節の手術を行う時、不意の出血に戸惑うことはありませんか?術後に患肢が出血で腫れて困ったことはありませんか?出血を電気メスで焼くだけの止血しかしていませんか?大腿動静脈や上腕動静脈、そして大腿神経、坐骨神経を怖がりながら手術をしていませんか?手術の基本は解剖です。でも骨折や人工関節など、腫瘍以外の手術は血管や神経の重要臓器を避ける手術を行うため、実際にはみることも扱うことも稀です。でも当院の手術は違います。腫瘍の手術は大きな血管を剥離し、結紮し、大腿神経や坐骨神経すら時に切断します。肩や膝や股関節を靭帯や筋肉の付着部などお構いなしに切離・展開していきます。腫瘍の手術ほど、解剖の勉強になる手術はありません。骨折や人工関節の時に血管と神経が怖くなくなります。

2.コースの概要

 初期研修を終了し、他施設でレジデントを1-2年経験後の医師を対象としています。外来は専門性の高い骨軟部腫瘍についてはスタッフが診ます。レジデントの先生は骨転移の患者さんの診察を行って貰い、どの病院へ行っても骨転移患者さんに対処出来るようになってもらいます。

 入院は担当医として受け持ちをして貰います。手術患者ばかりでなく、化学療法や末期の患者さんもおられるのがしんどいところですが、得られる経験は普通の整形外科の研修病院では全く得ることの出来ないものです。尋常な経験ではありません。

 整形外科の中でのコースとしては骨軟部腫瘍の患者さんの診療しかありません。他の整形外科領域のコース習得はできません。ただ、脊椎転移や骨肉腫などの手術は整形外科手術の中では究極の難手術です。通常の手術では見ることのできない部位が見れ、他の関節領域の手術概念が変わります。また、骨軟部腫瘍は腫瘍というキーワードの基に、基礎、内科、外科など多くの知識が習得できます。整形外科医としての自分の方向性に対する思いが変化する衝撃を受けると思います。実際に当院で研修後3分の2は大学院へ進学し、3分の1は骨軟部腫瘍を専門とされています。

 下記の大阪大学整形外科後期研修プログラムとして研修に来られるDrが多いですが、骨軟部腫瘍を専門としたい医師が遠方の大学から勉強に来られます。それは卒後年数を問わず大歓迎で、研修期間や宿舎斡旋等も希望に沿って行うようにします。

 基本的には大阪大学医学部整形外科の後期臨床研修プログラムの一環(下図とホームページ参照)に組み入れられており、他の整形外科領域を研修後、骨軟部腫瘍の研修を1年行う場合が多いです。一般整形外科ではあきたらない方には最適な研修施設です。

 http://www.ort.med.osaka-u.ac.jp/recruit/

3.目標とする習得資格

  • 日本整形外科学会専門医

4.長期目標

  • 様々な部位の手術を実践することで、他院では見れない解剖知識を取得する。
  • 骨軟部腫瘍と転移性骨腫瘍の診療知識を取得し、適切な治療方針を立てることが可能となる。
  • 患者さんごとの問題点を考えることで、臨床的課題を抽出するできるようになる。
  • 臨床的課題を解決するために先進的な医療を開発するマインドを持った医療人となる。

5.習得手技

  • 良性骨腫瘍、軟部腫瘍の手術。
  • 転移性骨腫瘍の診療方法。
  • 骨軟部腫瘍の化学療法の基礎。
  • 全身の手術解剖知識。

6.研修期間

1〜2年間

7.募集人数

2人

8.診療科の手術件数、経験目標症例数

骨軟部腫瘍手術年間250例年間50-100例の手術と化学療法を経験を目標

9.診療科の指導体制

  • 診療科医指数 常勤医5名(リハビリテーション科を含む)
  • 全員が骨軟部腫瘍専門の医師
  • 主として指導に当たる医師氏名 竹中 聡

10.コンセプト 

  • 大阪大学整形外科の約4年間の後期臨床研修プログラムは、2-3年間の総合整形外科研修期間と、1-2年間の専門整形外科研修期間とから構成され、当院は腫瘍専門研修施設です。
  • 上記に組み込まれて複数の施設で研修を行うことが一般的ですが、腫瘍のみ研修したい場合はそれも可能です.研究所と連携し、未来医療の開発にも心血をそそいでいます。
  • 当院で一般整形外科の研修はできません。(腫瘍患者のみです)

11.大阪国際がんセンター研修終了後

  • 研修終了後の進路は、本人の希望を優先します。
  • 未定の場合は、大阪大学整形外科関連病院を紹介します。

12.問い合わせ

整形外科 部長 竹中聡

 

大阪国際がんセンター事務局 人事グループ

〒541-8567 大阪市中央区大手前3-1-69

電話:06-6945-1181

メールアドレス:jinji#oici.jp(#を@に変えてください。)

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