形成外科

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質の高い再建手術で、患者さんの社会復帰・QOLの向上を支援します。

がんの手術治療により、人間らしい生活の維持や、ときには生命の維持に支障をきたす組織欠損が生じる場合があります。これらの欠損に対し、身体の他の部位からの組織移植、あるいは場合により人工物を用いた、生活の改善や社会復帰につながる再建手術が診療の中心です。
頭頸部外科、乳腺外科、消化器外科、整形外科、婦人科など、多数の科と連携して診療を行っています。
頭頸部外科では、舌などの口腔、食事の通り道となる咽頭、空気の通り道となる喉頭といった、基本的な生活の質を維持するために必須な部分にできたがん切除後の再建を行います。太ももや腹部、小腸などからの組織移植が治療の中心になります。
乳腺外科では、女性らしさの象徴である乳房にできたがん切除後の再建を行います。腹部や背部の自家組織を用いる方法、シリコン製の人工乳房を用いる方法があります。
その他の分野においても、がん切除によって生じた欠損の再建のほか、手術や放射線治療などの影響で起こった合併症(治りにくいきず、顔面など見た目の問題が大きいきずや変形、痛みやひきつれの強いきず、リンパ浮腫などのむくみ)を治療対象にしています。

主要疾患

舌・口腔、咽頭、喉頭、頸部食道、鼻・副鼻腔、気管、神経、乳房など、再建が必要な疾患全般

治療ポリシー

○生活の改善や社会復帰につながる再建手術を行います。
○整形外科、消化器外科、婦人科など多数の診療科や、リハビリ・褥瘡ケア・リンパ浮腫ケアチームなど院内スタッフと連携し、チーム医療の一端を担います。

主な治療について

患者さんにより、再建が必要な部位はさまざまです。
頭頸部外科領域では、舌・口腔、咽頭、喉頭、頸部食道、鼻・副鼻腔、気管、神経などが対象となります。大腿部や腹部などから、皮膚や筋肉、骨、腸管といった組織を血管付きで採取し、血管吻合を行って移植(血管柄付き遊離組織移植)し、がんの切除と同時に再建するのが主な方法です。
 乳腺外科領域では、乳房切除(部分切除、全摘などさまざま)に伴う乳房変形に対する乳房再建手術を行っています。再建のために、背部や腹部など自分の体の一部を用いる方法と、人工物を用いる方法があります。
 その他にも、整形外科、消化器外科、婦人科など多数の科や、リハビリ・褥瘡ケア・リンパ浮腫ケアチームなど院内スタッフと連携して、チーム医療の一端を担っています。

診療実績

2023年の形成外科手術件数は229例でした。そのうち、腫瘍切除後の再建関連手術は215例でした。
患者さんの病状や身体的状況だけでなく、患者さん自身のご希望や社会的背景(仕事や趣味、スポーツ、支援してくれる家族など)も総合的に考慮した治療方法を、連携各科とも相談しながら提案、選択するよう心がけています。
合併症の少ない手術を目指しており、そのことが早期退院、早期社会復帰につながると考えています。
顕微鏡を用いて血管吻合を行い組織移植する遊離皮弁(血管柄付き遊離組織移植)の生着率は、一般的に95~97%と言われていますが、当科では最近の5年間で99%以上を達成しています。

症例数

術式・治療法 2019 2020 2021 2022 2023
総手術数 274例 258例 271例 261例 229例
 うち腫瘍切除後の
 再建関連手術
269例 255例 251例 240例 215例
 うち遊離皮弁 95例 83例 98例 70例 81例

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学会認定

● 日本形成外科学会教育関連施設

スタッフ紹介

職 名 氏 名 専門分野 認定医/専門医/指導医
主任部長 栗田 智之 形成再建外科全般 日本形成外科学会専門医
再建・マイクロサージャリー分野指導医
医員 森口 くる美 形成外科全般 日本形成外科学会専門医
医員 南都 賢宣 形成外科全般 日本形成外科学会専門医
乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
レジデント 中塚 優希

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外来診療表

診察室
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