リハビリテーション科
- 診療内容 / 実績
- スタッフ紹介
- 外来診療表
適切なリハビリテーションによる、患者さんとご家族のサポートを行います。
リハビリテーション科は「がんのリハビリテーション」、生活機能と生活の質(QOL)の改善を目的とする医療ケアを中心に、がんそのものやその治療により生じる障害を受けるなかで、身体的、社会的、心理的、職業的活動を実現するサポートを行っております。
がんと共存する時代を迎え、がんのリハビリテーションに期待される役割は大きく、2010年度の診療報酬改定で、がん患者リハビリテーション料が新設され、2013年に包括的なガイドラインが策定されました。がんサバイバーのQOL向上や社会復帰の支援、治療中のみならず治療前後の運動療法、治療による有害事象の対応、悪液質や骨転移の包括的なマネジメント、緩和ケアが主体となる時期の疼痛、呼吸苦、全身倦怠感などの症状緩和や在宅療養生活の支援など、ニーズがますます拡大しております。
全国を代表する、がんセンターにおけるリハビリテーション科として、実臨床における経験をもとに、診療のみならず、連携、情報発信や啓発活動にも努めてまいります。
*各種リハビリテーションは、医師の指示の下で行われます。
安全のためリハビリ室のご利用は、対象の方のみとなっております。
診療疾患
がんによる機能障害全般
運動機能、呼吸機能、摂食・嚥下機能、音声・発話機能、高次機能、栄養・精神機能、廃用症候群、リンパ浮腫、サルコペニアなど
治療ポリシー
○患者さまとご家族の悩みや希望をお伺いしながら、病状や治療に合わせたリハビリテーションを行います。
○機能回復を目的とする回復リハビリテーションだけでなく、機能障害の予防(予防リハビリテーション)やセルフケア能力の向上(維持リハビリテーション)、終末期の症状緩和(緩和リハビリテーション)にも力を注いでいます。
主な治療について
- 理学療法
- 手術を受けられる方に対しては、手術前に身体機能や自宅での生活についての確認と、手術後のリハビリテーションについて説明を行います。手術後は主治医の指示のもと、ベッド上での動作確認や歩行練習を早期より開始していきます。全身状態が安定すればリハビリテーション室にて有酸素運動や筋力トレーニング、退院後の生活を想定した練習を行います。
化学療法や放射線療法を受けられる方に対しては、治療に伴う副作用により身体機能の低下や日常生活に支障をきたすことがあるため、予防と改善を目的としたリハビリテーションを、全身状態を考慮した上で行っています。- ・エルゴメーターを用いた有酸素運動
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- ・必要に応じて装具の装着や、歩行補助具を使用します
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- 作業療法
- 活き活きとした生活が送れるように、セルフケア(身の回りの生活動作)・家事・仕事・余暇活動など、さまざまな「作業」を通して、心と身体を元気にするリハビリテーションを行っています。主に、がん治療に伴う日常生活動作の制限に対する機能の回復と維持、動作方法の指導などがあります。障害を負いながらも、より豊かな生活づくりをお手伝いします。また、自助具や福祉機器の紹介、住宅改造のアドバイス、ご家族への介助指導も行っています。
- ・手術後(乳がんや腕・肩の手術など)の可動域訓練
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- ・脳神経外科や整形外科手術前後の手の検査、訓練
- ・日常生活動作の練習や、福祉用具の紹介・住宅改修のアドバイスといった退院準備の支援
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- 言語聴覚療法
- 言葉によるコミュニケーションや嚥下に問題のある方々に対してリハビリテーションを行っています。主に、頭頸部がんや食道がん術後の嚥下障害、口腔がん術後の構音障害及び脳腫瘍術後の言語障害に対する訓練などがあります。
- ・VF(嚥下造影検査)による飲み込みの評価
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- ・手術前後の言語訓練
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リンパ浮腫外来について
- 1.リンパ浮腫とは
- 乳がんや婦人科がん、泌尿器がんなどの手術や放射線療法、化学療後にリンパの流れが阻害されて起こる手足のむくみのことです。リンパ浮腫は、一度発症すると完治は難しく、予防と早期発見が重要となります。リンパ浮腫は、手足の重だるさだけでなく、衣服の着脱などの日常生活に支障が生じます。
当院では、手足のむくみが起ってしまった患者さまを対象に、複合的治療(スキンケア・リンパドレナージ・圧迫療法・圧迫下の運動療法・日常生活指導を組み合わせたもの)を入院中だけでなく、外来でも実施しています。- ・弾性着衣と弾性包帯による圧迫療法
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- ・圧迫下での運動療法
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- 2.リンパ浮腫治療実績
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2019年度の実績
新規依頼件数は100件、リンパ浮腫治療件数は1144件
2020年度の実績
新規依頼件数は77件、リンパ浮腫治療件数は809件
2021年度の実績
新規依頼件数は94件、リンパ浮腫治療件数は812件
2022年度の実績
新規依頼件数は89件、リンパ浮腫治療件数は767件
2023年度の実績
新規依頼件数は100件、リンパ浮腫治療件数は893件 - 3.リンパ浮腫外来
対象 | 当院にて乳がんや婦人科がん、泌尿器がんなどで手術や放射線治療、化学療法を受けた方でリンパ浮腫を発症し、主治医がリンパ浮腫治療を必要と判断した方。 |
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外来日 | リンパ浮腫外来 初診:月曜は午前午後に各2名 (9:20〜,10:00〜,13:20〜,14:00〜) 治療:原則月曜(午前・午後)と金曜(午後)が治療日となります。 |
予約方法 | リンパ浮腫治療までの流れを参照してください。 |
内容 | 複合的治療(スキンケア・リンパドレナージ・圧迫療法・圧迫下の運動療法・日常生活指導を組み合わせたもの) |
費用 | リンパ浮腫治療は現在保険診療で行なっています。 *弾性着衣や弾性包帯は自己負担での購入になります |
- 4.リンパ浮腫治療までの流れ
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*リンパ浮腫初診は診察のみとなります。治療は初診日とは別になります。
大変ご迷惑をおかけしますがご了承お願いします。
**リンパ浮腫外来の際は着替え等もあるため治療時間の5分前を目安にご来院していただくよう宜しくお願いいたします。
診療実績
- 理学療法
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2019 2020 2021 2022 2023 のべ診療
実績26807人 27728人 25837人 25816人 25842人 依頼診療科
内訳外科43% 外科43% 外科48% 外科52% 外科43% 血液内科19% 血液内科22% 血液内科19% 血液内科19% 整形外科19% 整形外科12% 整形外科11% 整形外科10% 整形外科10% 血液内科13% ほか ほか ほか ほか ほか
- 作業療法
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2019 2020 2021 2022 2023 のべ診療
実績12896人 9573人 10435人 10882人 10686人 依頼診療科
内訳乳腺外科15% 乳腺外科20% 乳腺外科28% 乳腺外科27% 乳腺外科27% 頭頚咽頭科16% 頭頚咽頭科13% 脳神経外科17% 頭頚部外科18% 頭頚部外科15% 脳神経外科11% 脳神経外科13% 耳鼻咽喉科12% 血液内科11% 血液内科11% ほか ほか ほか ほか ほか
- 言語療法
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2019 2020 2021 2022 2023 のべ診療
実績6806人 6560人 6476人 3894人 4593人 依頼診療科
内訳外科31% 外科40% 外科36% 外科51% 外科32% 耳鼻咽喉科27% 耳鼻咽頭科25% 耳鼻咽頭科30% 脳神経外科24% 頭頚部外科21% 脳神経外科21% 脳神経外科16% 脳神経外科15% 頭頚部外科15% 脳神経外科13% ほか ほか ほか ほか ほか
施設基準
がんリハビリテーション、脳血管疾患等リハビリテーション(Ⅰ)、運動器リハビリテーション(Ⅰ)、呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)、廃用症候群リハビリテーション(Ⅰ)
スタッフ紹介
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部長(経歴)
田宮 大也
職 名 | 氏 名 | 専門分野 | 認定医/専門医/指導医 |
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部長(経歴) | 田宮 大也 | 骨軟部腫瘍 がんリハビリテーション 肉腫基礎研究 |
日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会運動器リハビリテーション医 緩和ケア研修修了医 がんのリハビリテーション研修終了医 新リンパ浮腫研修修了医 日本リハビリテーション医学会認定臨床医・専門医 がん治療認定医 |
理学療法士 常勤9名
作業療法士 常勤4名
言語聴覚士 常勤2名
看護師(兼任)常勤1名
受付 非常勤2名
外来診療表
リハビリテーション室 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |||||
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AM | PM | AM | PM | AM | PM | AM | PM | AM | PM | |
リンパ浮腫初診 | ○ | ○ | – | – | – | – | – | – | – | – |
リンパ浮腫再診 | ○ | – | – | – | – | – | – | – | – | – |
リンパ浮腫治療 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |