ACP(アドバンス・ケア・プランニング)
ACP(人生会議)とは
- そもそも『人生会議(ACP)』って?
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『人生会議(ACP)』とは、人生の最終段階を含め、これからご自身が受ける医療やケア、そして人生の最終段階の医療・ケアについて、自分の考えを家族や近しい方、医療・ケアチームと繰り返し話し合い、考え、「心づもり」として書き留めたものを周囲と共有する、という、ご自身の意思決定を支援する手順のことです。
「あなたは今後どんな生き方をしたいですか?」
「大切な人にどんな生き方をしてほしいですか?」自らが希望する医療やケアを受けるために、大切にしていること、どこでどのような医療・ケアを望むかを、自分自身で前もって考え、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有することが重要です。
- 『人生会議(ACP)』の進め方(例)
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- (1)もし病気になったら・・・、まずは考えてみましょう
- ◇どんな治療・ケアを受けたいですか?
例えば
・可能なかぎり治療を続けて一日でも長く生きたい。
・延命につながるだけの治療や処置は避けたい。
・自分が望む生活ができる程度に、苦痛をとる治療を受けたい
など - ◇どんな所でどんなふうに過ごしたいですか?
例えば
・家族やヘルパーなどのサポートを受けて、できるだけ住み慣れた自宅で暮らしたい。
・家族の負担をかけたくないので施設で暮らしたい。
・病院に入院して療養するのが安心。
など
- ◇どんな治療・ケアを受けたいですか?
- (2)考えた内容を、話し合い、共有しましょう
希望や思いは、時間の経過や健康状態によって変化していくので、一度で決まるものではありません。下記のサイクルを参考に、何度も繰り返して考え、話し合いましょう。
- (1)もし病気になったら・・・、まずは考えてみましょう
- ACPサイクルの図(考えて→選び→質問し→話し合い→書き留める)
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STEP1 治療する際に、大切にしたいことを考えてみましょう
あなたが大切にしていること、望んでいることを考えてみましょう。
今のあなたの思いを示しておくことは、将来的に家族などがあなたの気持ちを考慮して判断をおこなう際に役立ちます。STEP2 もしものとき、あなたの思いを伝えてくれる人を選びましょう
もしものとき、あなたが自分の意思を伝えることができなくなった場合に、あなたに代わって意向を伝えてくれる人を選んでおきましょう。
どんな時でもあなたの希望を尊重できる、信頼できる人を選びましょう。STEP3 かかりつけ医に質問してみましょう
あなたの健康状態、病気の場合は病名や病状、今後予想される経過や必要な医療・ケアについて、かかりつけ医に質問し、健康について学び、考えてみましょう。
STEP4 希望する医療やケアについて話し合いましょう
医療・ケアや生活に関する希望や思いを、家族・代理人・医療者等と話し合い、理解してもらいましょう。
STEP5 書き留めておきましょう
話し合った内容は記録として書き残し、周囲と共有しておきましょう。
大阪国際がんセンターが考えるACPとは
当センターは、がんの征圧に重点を置き、安全で高度な医療を実践し、数々の成果をあげています。さらなる征圧を目指して、予防・診断・治療等の新しい技術開発や臨床治験、遺伝子医療及びがん免疫療法などの研究にも挑戦し、新しい医療の創造に努めています。また、患者さんのQOL(生活の質)を重視した医療の提供にも配慮しています。
こうした医療の推進にあたっては、患者さん自らの意思と選択により最善の医療を受けていただくことが大切と考え、ACPを推進しています。
当センターのACPの取り組み
(職員研修や指針の策定)
当センターではACPに関する研修を企画し、職員がACPを学ぶ研修を開催しています。
(患者様への情報提供)
初診時にはACPについて考えるきっかけとなるよう、パンフレットで情報提供を行っています。
- ・初診パンフレット「大阪国際がんセンターを初めて受診される皆さまへ」(PDF)
- ・冊子「重要な面談にのぞまれる患者さんとご家族へ」(国立がん研究センターがん情報サービスにリンクします)