腫瘍循環器科(循環器内科)

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がん患者さまに合併した循環器疾患の診断・治療を行います。

当院は、2017年3月に森ノ宮にあった大阪府立成人病センターから、大阪国際がんセンターと名称改め、大手前に新築移転しました。これに伴い、循環器内科も従来腫瘍循環器外来を行っておりましたが、より「がん医療に特化した循環器内科」を目指すということで、今までの循環器内科から、腫瘍循環器科と名称を変更いたしました。
今や、がんは日本人の死因第一位であり、生涯罹患率も約半数であると言われております。さらに、がん医療の飛躍的な向上により、生命予後が改善し、がんサバイバーの数も増加してきております。必然的に、がん患者さんが循環器疾患を合併する割合が増加し、「循環器領域」および「がん領域」どちらにも精通した医療が必要となってきます。当院では、その先駆けとして、がん患者さんに特化した循環器医療を目指すために、腫瘍循環器科を標榜し、診療理念を、「よりがん患者さんの治療が円滑に行えるように循環器的なサポートを行う」とさせていただきました。

主要疾患

高血圧症、不整脈、虚血性心疾患、心不全、心筋症、血栓塞栓症など

治療ポリシー

○循環器疾患を合併したがん患者さまが、安心してがん治療を受けていただけるようサポートします。
○がん治療に精通した循環器内科医が、それぞれの患者さまに合ったオーダーメイド治療を心がけます。

主な検査・診断について

検査・診断法 入院・外来 所要時間
心エコー検査 外来 20分
トレッドミル運動負荷試験 外来 20分
24時間心電図検査 外来 24時間(入院の必要はありません)
脈波伝搬速度(血管年齢) 外来 10~20分
心筋シンチグラフィー
(心筋性状を核医学的にチェック)
外来 30分の検査を2回施行します
レノグラム(腎血流を測定します) 外来 30分
心臓CT(64列ヘリカルCTを使用します) 外来 30分
心臓カテーテル検査(冠動脈造影) 入院 2~3日
終夜睡眠ポリグラフィ検査(睡眠時無呼吸症候群) 入院 1日

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主な治療について

近年の生活の欧米化と高齢化により、がんと循環器疾患を合併する症例が増加してきています。今まではともすれば、循環器は循環器だけ、がんはがんだけと、同じ患者さんなのに治療が独立していたかもしれません。さらに、がんが分かる循環器内科医も、循環器がわかる臨床腫瘍科医も少なかったかもしれません。しかしながら、患者さんの目線から考えると、循環器とがんとどちらにも精通した医療が求められると考えます。
具体的な診療内容ですが、当科では主にがん患者さんの手術や化学療法、放射線療法などの治療前の心機能評価や治療後の不整脈や心不全を合併した症例に対して循環器的見地からの治療の対応など、他科と緊密に連携をとりながら、患者さんにとっての最良の治療を提供できるように研鑽してまいります。特に侵襲の高い術後など、集中循環管理が必要な場合など、すみやかに重症治療室での管理を当該科と麻酔科の医師たちともカンファレンスを通して密に連携し対応してまいります。
また、がん患者さんに合併する重要な疾患として、血栓塞栓症があります。中でも、Trousseau症候群に代表される静脈血栓症の頻度が高いです。偶然CTで発見される場合もあれば、浮腫の鑑別の際に見つかる場合もあります。このような患者さんに対しては、がんそのものの治療方針や生命予後などを考慮し、出血のリスクなど十分注意したうえで、ワルファリンだけでなく、新規抗凝固薬を用いた抗凝固療法を積極的に施行しております。その開始のタイミング、フォローのタイミングなどやはり循環器的な知識が必要とされます。
ただ、従来の循環器診療も可能な限り維持していきたいと考えております。術前に、虚血が疑われると判断した場合は、速やかに冠動脈CTや冠動脈造影検査など評価をしています。ペースメーカーが必要な徐脈の症例に対しても新規埋込み、電池交換術など当院で対応していきたいと考えております。
また、狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患に対してのインターベンション、心房細動をはじめとした不整脈に対してのアブレーション治療などできる範囲でさらに拡充してまいりたいと思っております。

治療法 入院・外来 治療日数
経皮的冠動脈形成術 入院 4~7日(病状により異なります)
経皮的血管形成術(下肢動脈形成術) 入院 4~7日(病状により異なります)
心嚢穿刺 入院 3~7日(病状により異なります)
静脈フィルター留置 入院 3~7日(病状により異なります)
経鼻的持続陽圧呼吸療法装置(nasal CPAP) 入院 1~3日
恒久式ペースメーカー植込み術 入院 10~14日

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経皮的冠動脈形成術
心臓カテーテル検査(冠動脈造影)の結果、責任病変(冠動脈が狭くなり血の巡りが悪くなっている部位)に対して冠動脈形成術(バルーン拡張術)を施行します。治療部位は、血管内超音波検査などにより病変の確認を行い、病変形態に合った治療を行います。病変の形態が不良な場合にはステントを留置することもあります。糖尿病などを合併して再狭窄を起こす可能性が高い場合には薬剤溶出性ステントを積極的に用いています。
2014年3月に心臓血管造影装置を「腫瘍循環器トータルシステム」として新装置に更新いたしました。従来の冠動脈造影検査はもちろんのこと、冠動脈形成術施行時に、心臓CT像、心筋シンチグラフィー像の参照が可能となり、ハイブリッドな治療が可能となっています。さらに、電子カルテとの連携することで胸部CT、腹部CTなどの院内すべての検査の参照が可能となっています。
恒久式ペースメーカー植込術
徐脈症例に対して、脈を維持するためにペースメーカーの植込を行っています。MRI対応型の使用についても症例により植込みを行っています。
薬剤性心筋症に対する内科的治療(特に抗がん剤の心毒性により認められた心筋障害に対して)
心エコー検査や心筋シンチグラフィーなど体への負担が少ない検査を活用し、心筋の状態を把握しながら、内科的治療を行います。心毒性出現早期より治療を始めることで、がんに対する治療が有効かつ適正に行うことができます。
がん自体あるいはがん治療中における緊急処置(Oncogenic Emergency)
がんの増悪やがん治療中に出現する緊急事態のうち循環器領域の疾患について治療を行っています。心タンポナーデに対する心嚢穿刺や深部静脈血栓症(肺梗塞)に対する抗凝固慮法、フィルター留置術などを積極的に行っています。

学会認定

● 日本循環器学会専門医研修施設
● 日本老年病学会認定施設
● 日本高血圧学会専門医研修施設

スタッフ紹介

職 名 氏 名 専門分野 認定医/専門医/指導医
主任部長 藤田 雅史 循環器疾患
腫瘍循環器
日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医
日本循環器学会専門医
日本医師会認定産業医
大阪大学大学院薬学研究科招聘教授
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
「植込み型除細動器/
ペーシングによる心不全治療」研修終了
副部長 安居 琢 腫瘍循環器
循環器疾患
 
医長 山本 泰士  
特別研究員 淡田 修久 循環器疾患 日本内科学会認定医・指導医
日本循環器学会専門医
日本超音波学会指導医・専門医
日本成人病(生活習慣病)学会理事
非常勤医師 西川 達哉 腫瘍循環器
循環器疾患
日本内科学会認定医

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外来診療表

診察室
AM PM AM PM AM PM AM PM AM PM
11       藤田  
15     ☆西川      
16 藤田          
31       安居
33     山本(泰)

☆は非常勤医師です

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関連サイト

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