よくあるご質問(緩和ケアセンター)

  • 緩和ケアとはどのような医療でしょうか?

    緩和ケアとは、患者さんのさまざまな身体の症状や気持ちのつらさを和らげて、患者さんとご家族の生活を支える医療です。経済的問題や家庭での悩みごとなどさまざまなことについて、患者さんとご家族とともに考えていく幅広い支援も含まれます。

  • 緩和ケアはどこで受けることができますか?

    国の制度として各都道府県に「がん診療連携拠点病院」が整備されています。がん診療連携拠点病院には、専門的緩和ケアを提供する「緩和ケアチーム」が設置されています。がん診療連携拠点病院である当院では、いつでもどこでも適切な緩和ケアを提供できる体制が整えられています。外来でも入院でも緩和ケアを受けることができます。

  • 緩和ケアにはどのような職種の医療者がいるのでしょうか?

    がん診療連携拠点病院には、専門的緩和ケアを提供する「緩和ケアチーム」が設置されています。そこには、緩和ケアを専門とする医師・看護師・薬剤師のほか、公認心理師・理学療法士・作業療法士・管理栄養士・社会福祉士などが所属しています。

  • 緩和ケアを受けるのに、特別な費用がかかるのでしょうか?

    緩和ケアを受ける場合でも、通常の医療と同じく健康保険制度が適用されますので、負担割合に応じた費用は発生しますが高額療養費の対象です。例えば、入院で緩和ケアチームの支援を受ける場合には「緩和ケア診療加算」、外来で医療用麻薬が処方された場合には、月1回に限り「外来緩和ケア管理料」などが算定されます。医療費については、患者相談室などで詳しく説明を受けることができます。

  • 大阪国際がんセンターでは、緩和ケアはどのように行われているのでしょうか?

    当院はがん専門病院のため、主治医や一般看護師が基本的緩和ケアを提供しています。しかし、基本的緩和ケアでは解決が難しい問題をお持ちの患者さん・ご家族も少なくありません。そのような場合、入院患者さんは専門的緩和ケアを提供する「緩和ケアチーム」の支援を受けることができます。また、外来患者さんは「支持・緩和医療科」を受診することができます。ご希望の場合は、まず身近な主治医や看護師にご相談ください。

  • 主治医から「緩和ケアの専門家に紹介しましょう」と言われましたが、もう末期だということでしょうか?

    緩和ケアは患者さんとご家族の生活が安定するように支援する医療です。また近年では、緩和ケアはがんの診断時からがん治療の一環として提供されるようになっています。それぞれの患者さんで状況は異なりますが、主治医が患者さんとご家族の生活を支援したいという思いからの説明だと理解してください。

  • 現在、がん治療を受けているのですが、治療中には緩和ケアを受けられないのでしょうか?

    かつて緩和ケアは「積極的ながん治療を終了した患者さんに対する医療」と考えられていましたが、近年では「がんの診断時からがん治療の一環として提供される医療」と考えられるようになっています。つまり、がん治療とともに緩和ケアを受けることができます。

  • がんの痛みに対して医療用麻薬を処方されましたが、もうがんの末期ということでしょうか?

    がんの痛みの治療は、世界的に「WHO方式がん疼痛治療法」に基づいて行われています。がんの痛みが強いと患者さんとご家族の生活が乱されます。それぞれの生活を安定させるためには痛みをしっかり緩和する必要があります。一般の鎮痛薬で十分な効果が得られない場合に医療用麻薬の開始が推奨されていますが、病気の時期で選ぶわけではありません。医療用麻薬は違法ドラッグとは異なります。医療用麻薬について不安や疑問を感じるときは医師や薬剤師に相談しましょう。

  • 医療用麻薬の副作用にはどのようなものがありますか?

    医療用麻薬の副作用には、便秘・悪心・嘔吐・眠気などがあります。そのなかで最もよくみられるのが便秘ですが、医療用麻薬に対応した便秘薬も開発されています。このように副作用対策は確立されているので、安心して痛みの治療を受けていただくことができます。

  • 医療用麻薬を使うと寿命が短くなると聞きましたが本当ですか?

    「がんの痛みに対して、専門知識をもった医師が適切に医療用麻薬を処方することで、寿命が短くなることはない」と科学的に証明されています。痛みが和らぐと、食べて動いて寝られるようになり生活が安定します。その結果、体力がつき生活の質がよくなるなどさまざまなメリットも期待できます。

  • 医療用麻薬を使うと依存や中毒はおこりませんか?

    がんの痛みに対して、専門知識をもった医師が適切に医療用麻薬を処方することで依存や中毒を防ぐことができます。

  • がん悪液質にはどのように対応すればよいでしょうか?

    がん患者さんでは、病気そのものの影響とがん治療の副作用により食欲不振・食事摂取不良がおこり、低栄養・体重(骨格筋)減少・身体機能低下につながります。このような一連の変化をがん悪液質といいます。がん悪液質が進行すると治療の継続が困難になります。現在、薬物療法だけでなく栄養療法・運動療法を組み合わせた集学的治療が重要であると考えられており、そのなかで緩和ケアも重要な役割を担います。つまり、症状が緩和されれば、患者さんは食べて動いて寝られるようになり体力が戻ることが期待できます。

  • 神経ブロックとはどのような治療でしょうか?

    痛みの緩和治療では、鎮痛薬だけではなく他の方法と組み合わせることがあります。神経ブロックはその一つで、痛みのある部位に関連する神経を抑制または遮断する治療のことです。つまり、神経のまわりに薬剤を注入し、一時的または長期的に痛みを和らげる方法のことをいいます。

  • 幼い子どもに、親のがんのことを伝えるべきでしょうか?また、どのように伝えたらよいのでしょうか?

    子どもに親ががんであることを伝えるのに「適切なタイミング」や「決まった内容」はありません。また、子どもの実際の年齢よりも精神的な発達の程度によります。もしお悩みであれば公認心理師に相談することができます。一人で抱え込まずご遠慮なくお声がけください。

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