非骨化性線維腫 Non-ossifying fibroma

  • 診療内容 / 実績
【疾患概念、発生頻度】
非骨化性線維腫(NOF)は20歳未満の小児にみられ長管骨の骨幹端に好発する腫瘍類似病変である。大腿骨遠位に最も多く脛骨遠位、脛骨近位の順に多い。無症状のことも多く正確な発生頻度は不明だが、小児の20%弱にみられるとされレントゲン検査で偶発的に発見されることが多い。
【病型・分類】
NOFの組織像は良性の紡錘形線維芽細胞の増生病変で花むしろ状配列を示し、破骨細胞様多核巨細胞や泡沫細胞などが混在する。紛らわしい疾患に線維性骨皮質欠損(FCD)がある。WHO分類ではNOFは病変が比較的大きく骨髄腔まで病変が存在するもので、病変が皮質骨に限局しているものはFCDと定義しているがこれらは同様の組織像を呈する。
【臨床症状・画像診断】
前述のように無症状のことが多い。単純X線、CTでは明瞭な硬化縁に囲まれた偏心性の溶骨性病変で、骨膜反応や石灰化をともなうことはない。大きな病変では薄く波打った硬化縁を示し骨皮質の経度膨隆を認める。MRIでは密な線維性組織を反映しT1、T2強調像でいずれも低信号を示す。ただし線維性組織の量や出血の程度によりT2強調像で高信号を示すこともある。内部の隔壁様構造が特徴的であり、線維性骨異形成との鑑別に有用な所見である。
【治療方針・予後】
思春期以降に通常は自然消退するため治療を要することは少ない。典型的な画像の時は生検も不要である。侵襲性で病巣が大きくなる傾向を示す場合は数か月間隔でのレントゲン撮影による経過観察を行う。稀ではあるが病巣が大きく骨長径の50%以上を占めて病的骨折の危険性がある場合は手術(掻爬術+骨移植)が必要になることもある。

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