Phosphaturic mesenchymal tumor
- 診療内容 / 実績
Phosphaturic mesenchymal tumor(PMT)は腫瘍性骨軟化症の主要な原因の一つです。この腫瘍から過剰に分泌されるFGF23は、リンの尿中排泄を促進し、体内へのリンの取り込みを低下させます。このため、血中リン濃度がさがり、骨の石灰化が障害され、腫瘍性の骨軟化症が惹起されます。腫瘍性骨軟化症では、骨痛、骨折、筋力低下、歩行困難などの症状が生じますが、骨粗鬆症などと間違われ腫瘍性骨軟化症と診断されるまで時間がかかることも多いです。PMTは骨や軟部組織に発生し、良性の小さな腫瘍であることが多く、発見されにくい特徴があります。腫瘍性骨軟化症の診断には低リン血症、血中FGF23高値などが有用で、腫瘍の位置の同定にはPETや全身MRIの検査が行われます。腫瘍の摘出によってFGF23の過剰な分泌がなくなると、血中リン濃度も正常化し、骨軟化症が改善されます。PMTではFN1-FGFR1融合遺伝子やFN1-FGF1融合遺伝子を認めることが多いです。まれに悪性化する場合があり、治療は腫瘍の切除が推奨されますが、切除が困難な場合は抗FGF23抗体などが用いられます。