直腸がんセンター

  • 診療内容 / 実績

「直腸がんセンター新設のお知らせ」 消化器外科・大腸外科 安井昌義

2024年5月1日より、「直腸がんセンター」を新設しました。「直腸がんセンター」の設立によって私たちが目指すところにつき解説させていただきます。

直腸がん診療における多角的アプローチの必要性

大腸がんの中でも特に直腸がんの診療の進歩は近年目覚ましく、その診断方法や治療方法は多岐にわたります。内視鏡治療、手術、放射線治療、化学療法を単純に組み合わせるだけではなく、「どのような患者さんに、いずれの治療を、どの時期に、いかに行うのか?」を考える必要があり、診断と治療がますます多様化してきたため、さまざまな専門知識と技術が必要な疾患となってきました。

直腸がん診療の課題解決に向けて

情報化社会の中、どのような直腸がん治療の選択があるのかを患者さんに説明し、ご理解・把握いただくことは当センターの課題と考えておりました。また、近年は、遺伝性の大腸がんの患者さんやそのご家族に対する診療やカウンセリング、人工肛門が必要な患者さんへのサポート、社会的支援の必要性など、患者さんに必要な医療はさらに専門化・多様化し、患者さんの個性に合わせて、これらのサービスをいかに適切に提供し、治療を継続していただくかも喫緊の課題と捉えてきました。これらの課題を解決し、患者さんの視点に立った医療の提供と開発を目指して、当センター内の多部門のスタッフが力を合わせる体制として「直腸がんセンター」を新設することとなりました。

「直腸がんセンター」による包括的医療に向けて

「直腸がんセンター」の新設にあたっては、消化器外科(大腸外科)医、腫瘍内科医(抗がん剤の専門家)、放射線治療医、消化管内科医(内視鏡による診断と治療の専門家)、放射線診断医、病理診断医(組織や細胞診断の専門家)や、遺伝子診療・遺伝性腫瘍の専門家など診断・治療に直接かかわる診療科だけでなく、「心療科による直腸がん患者さんに対する精神療法・薬物支持療法」、「薬局による安全な薬物治療のチェックと情報の提供」、「リハビリテーション科による術後のリハビリ」、「看護部による人工肛門看護」など、多岐にわたる部門・職種が有機的に一つとして働くことで、細やかなサポートと包括的な治療が可能な体制作りを目指しました。
これらの専門家が連携し、異なった視点から、患者さんごとに最適と思われる診療計画を立てて実行・サービスすることで、より良い治療を受けていただくことを目指してまいります。

最後に

新たに受診を考えてくださる患者さん、ご紹介を検討いただいている先生方には、具体的な治療方法が不明であっても「直腸がんセンター」を受診・ご紹介いただくことで、直腸がんセンター内で一括した情報共有のうえ、適切な診療窓口へ案内させていただきます。
また、今後は多部門からなる「直腸がんセンター」にて多くの患者さんにご納得いただける治療を提供することを通して、直腸がん治療の情報発信と併せて次世代の治療開発にも努めてまいりたいと考えます。

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