呼吸器内科
- 診療内容 / 実績
- スタッフ紹介
- 外来診療表
肺がんの早期発見・診断に努め、患者さまに適した治療を行います。
肺がんを中心とした胸部のがんの診断・治療を専門としています。
ヘリカルCTを用いて、通常の胸部レントゲン検査では発見できない早期の肺がんの発見・診断に努めてきました。
呼吸器領域における診断は気管支内視鏡を主に用います。気管支鏡検査では合併症による禁忌がない場合は、睡眠薬を使用した検査が可能です。
気管・気管支内を観察すると共に,組織や細胞を採取して正確な診断をつけることが出来ます(気管支鏡検査)。検査だけではなく、気管・気管支が狭くなる病気などを治療したりする(気管支鏡下治療)ことも出来ます。当院では、病気の位置や状況に応じて処置用の太径気管支スコープ、通常気管支スコープ、細径気管支スコープ、極細径気管支スコープ、蛍光気管支スコープなどから最適な気管支鏡を選択し使用いたします。気管支鏡検査では、仮想気管支鏡(バーチャルナビゲーション:病巣に至るルートをCTデーターを用いて作成したバーチャル画像で決定)や気管支腔内超音波断層法(R-EBUS)(病巣を超音波で確認)、迅速細胞診断(検査室内で顕微鏡を使用した細胞の確認)をフル活用しています。気管・気管支の壁外にあるリンパ節(縦隔リン パ節あるいは肺門リンパ節)を観察し,気管(気管支)壁を貫いてリンパ節に 針を刺して,リンパ節内の細胞や組織を吸引して採取する方法超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)も積極的に使用しています。気管支鏡下治療では、早期中枢部肺がんに対するPDT(光線力学療法)、腫瘍による出血や狭窄に対しAPC(アルゴンプラズマ凝固)、クライオ(凍結凝固)、ステント治療を行っております。また難治性気胸に対しシリコン製の栓を気管支につめるEWSという処置を行うこともあります。進行期肺がんの治療にはがんに関わる遺伝子の情報やたんぱく質の情報が非常に重要になってきています。従来以上に良質な検体を多く採取するため、近年では気管支内視鏡に拘らずCTガイド下針生検や局所麻酔下胸腔鏡検査、外科的生検などマルチモダリティを使用した確実かつ迅速な診断・治療を心がけています。このような結果、当院での胸部陰影の肺がん診断率は90%をこえております。
手術を希望されない場合や合併症やご高齢で体力の落ちている患者さんには、I期肺がんに対する定位放射線治療あるいは大阪重粒子線センターでの重粒子線治療(先進医療)にご紹介することも可能です。進行期非小細胞肺がんに対しては、ほぼ全員の方に検査で採取した組織からドライバーがん遺伝子(EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子など)や免疫チェックポイント阻害薬の効果予測のためのPD-L1検査などのバイオマーカー検査を行い、その結果に基づいた治療(プレシジョンメディシン、個別化治療)に力を入れています。国立がん研究センター東病院 呼吸器内科が中心となって行っている肺がんの患者さんに有効な治療薬を届けることを目的として、日本だけでなくアジア諸国のがんの遺伝子変化を調べる産学連携プロジェクト(LC-SCRUM-Asia)にも積極的に参加し、希少な遺伝子変化が見つかれば当院あるいは他院で行われている治験への参加のご案内も行っています。
主要疾患
肺がんを主とした胸部の悪性腫瘍
治療ポリシー
○肺がんをはじめとする胸部の悪性疾患の早期発見、早期診断に努めます。
○患者さま一人ひとりの治療方針を、各診療科とともに検討し、治験や臨床試験を含めた最新の治療法を採り入れながら、個々の患者さまに適した治療を提案させていただきます。
>>治験の詳細はこちら
主な検査について
X線透視下あるいは気管支鏡下病巣生検・擦過細胞診、経皮的肺生検・穿刺細胞診、エコーまたはCT誘導による経皮的肺穿刺検査、蛍光気管支鏡検査、極細径気管支鏡、仮想気管支鏡、気管支エコー(EBUS)、迅速細胞診、ヘリカルCT、高分解能CT、MRI、PET
オンコマインDx Target TestマルチCDx(BRAF V600E変異、EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、RET融合遺伝子など)、AmoyDx® 肺癌マルチ遺伝子PCRパネル(BRAF V600E変異、EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、METエクソン14スキッピング変異、KRAS G12C変異など)、PD-L1検査
検査・処置実績 2023年度
検査・処置実数 2023年 | 症例数 |
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気管支鏡検査(EBUS-TBNAを含む) | 464例 |
超音波内視鏡ガイド下生検(EBUS-TBNA) | 134例 |
気管支鏡的処置・治療 | 6例 |
CT・エコーガイド下経皮的針生検 | 9例 |
マルチ遺伝子パネル検査 | 215例 |
主な治療の期間について
治療法 | 入院・外来 | 治療期間(入院期間) |
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レーザー治療 | 入院 | 1日(約1週間) |
定位放射線治療 | 外来 | 3-5日間 |
放射線化学療法(III期肺癌) | 入院で開始後、外来で通院治療 | 初期入院2-4週間+外来 放射線治療期間は約6週間 効果があればその後免疫チェックポイント阻害薬を1年間投与(4週ごと) |
プラチナ併用化学療法(±免疫チェックポイント阻害薬) | 入院で開始後、外来で通院治療 | 初期入院約1-2週間+外来 薬剤により2年間あるいは効果のある限り継続 |
分子標的薬 | 入院および外来 | 初期入院は約1週間+外来 効果のある限り継続 |
診療実績
肺がん
2023年度大阪国際がんセンター呼吸器内科の症例数
疾患名 | 組織型 | 症例数 |
---|---|---|
小細胞肺がん | 小細胞肺がん | 28例 |
非小細胞肺がん | 肺腺がん | 106例 |
肺扁平上皮がん | 33例 | |
非小細胞肺がん | 10例 |
学会認定
● 日本呼吸器学会認定医制度認定施設
● 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医制度認定施設
● 日本臨床腫瘍学会研修施設
スタッフ紹介
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主任部長
西野 和美
-
副部長
田宮 基裕
-
副部長
井上 貴子
-
副部長
國政 啓
職 名 | 氏 名 | 専門分野 | 認定医/専門医/指導医 |
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主任部長 | 西野 和美 | 肺がん薬物療法 肺がんバイオマーカー診断・治療 肺がん治療におけるアピアランスケア |
日本内科学会総合内科専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医 日本呼吸器学会専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本医師会認定産業医 日本呼吸器学会推薦Infection Control Doctor(ICD) |
副部長 | 田宮 基裕 | 肺がん薬物療法 気管支鏡インターベンション |
日本内科学会総合内科専門医 日本呼吸器学会専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医 日本結核病学会結核・抗菌症認定医 日本呼吸器学会推薦Infection Control Doctor(ICD) |
副部長 | 井上 貴子 | 肺がん薬物療法 胸部悪性腫瘍の診断 免疫関連有害事象マネージメント |
日本内科学会総合内科専門医 日本呼吸器学会専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医 日本呼吸器学会推薦Infection Control Doctor(ICD) |
副部長 | 國政 啓 | 肺がん薬物療法 肺がんバイオマーカー診断・治療 がんゲノム医療 |
日本内科学会総合内科専門医 日本呼吸器学会専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医 遺伝性腫瘍専門医 日本遺伝子診療学会ジェネティックエキスパート 日本医師会認定産業医 日本プライマリ・ケア連合学会認定医 |
医長 | 川村 卓久 | 肺がん薬物療法 がんゲノム医療 |
日本内科学会総合内科専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医 日本呼吸器学会専門医・指導医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医・指導医 |
医員 | 宮崎 暁人 | 肺がん薬物療法 肺がんバイオマーカー診断・治療 |
日本内科学会総合内科専門医 |
診療主任 | 田中 庸弘 | 肺がん薬物療法 | 日本内科学会認定内科医 日本呼吸器学会専門医 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医 |
レジデント | 二村 俊 | 肺がん薬物療法 | 日本内科学会総合内科専門医 |
レジデント | 小牟田 清英 | 肺がん薬物療法 | 日本内科学会総合内科専門医 |
外来診療表
診察室 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |||||
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AM | PM | AM | PM | AM | PM | AM | PM | AM | PM | |
2 | 川村 | 小牟田 | ||||||||
4 | 禁煙外来(奇数月第3週) | |||||||||
5 | 國政啓 | 田宮基 | 宮崎 | 國政啓 | 田宮基 | |||||
6 | 西野 | 川村 | 井上 | 西野 | 井上 | |||||
14 | 田中庸 | |||||||||
50 | 二村 |