乳腺・内分泌外科(乳腺)

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根治性と整容性の両立を目指した乳がん治療を行っています。

近年、日本人女性の乳がん罹患率は急速に増加しており、一生でみると9人に1人の女性が乳がんになるという時代です。私たちは一人でも多くの乳がん患者さんを救うべく、それぞれの患者さんの病状に適した世界標準の治療を行うことを目標とし、乳腺外科医だけでなく腫瘍内科医、病理医、看護師、薬剤師などを含む多職種によるカンファレンスで治療方針を決定しています。
単に根治を目指すだけではなく治療後のQuality of Life(人生や生活の質)を保つことも重要であると考えています。そのため、必要に応じて手術前に薬物療法を行うことにより腫瘍を縮小してから手術を行うこともあります。また、乳房温存手術を積極的に行うとともに、形成外科医の協力を得て乳房再建にも取り組んでいます。さらに、手術後の上肢のリンパ浮腫をできるだけ減らすために、ガイドラインに沿って2012年から、センチネルリンパ節に転移が見つかっても一定の条件を満たせば、追加の腋窩リンパ節郭清を省略する方針を取っています。
治験や臨床研究にも力を入れており、多くの未承認薬剤や医療機器の開発、新規治療法や支持療法の開発を行っています。将来の乳がん治療をより良いものにするために、患者さんと共に歩んでまいります。

主要疾患

乳がん

治療ポリシー

○傷や乳房の変形が目立たないよう、根治性と整容性(美容性)の両立を目指します。
○乳がんの治療においては、根治と同様に術後のQOL(生活の質)の向上も大切です。当科は、患者さまがご自身の病状やライフスタイルに合った治療を選択できるよう努めています。

主な治療について

治療法 入院・外来 入院日数
乳房部分切除(乳房温存手術) 入院 約4日(約10日
乳房部分切除+乳房再建 入院 約14日
乳房切除 入院 約7日(約10日
乳房切除+乳房再建 入院 約14日

※リンパ節郭清を伴う場合

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乳房部分切除(乳房温存手術)
腫瘍があまり大きくない患者さんには、標準的手術として積極的に行っています。原則として術後に放射線治療が必要です。
乳房部分切除(乳房温存手術)+乳房再建
切除範囲が広く通常の「乳房」温存手術では乳房が強く変形する可能性のある方で、ご希望がある場合、広背筋皮弁を用いた乳房再建を行っています。
乳房切除+乳房再建
ご希望の患者さんには、乳房切除や皮下乳腺全摘に乳房再建を組み合わせて行っています。
乳腺内視鏡手術
一部の症例に対して、乳腺内視鏡手術を行っています。乳腺内視鏡手術では、切開創の位置や大きさを工夫することで創を目立ちにくくしています。(注:適応については、主治医にご相談ください。)
ラジオ波焼灼療法(RFA)
腫瘍径1.5㎝以下の転移を認めない限局性乳癌に対し、”切らない乳がん治療”として、がん細胞を高温で死滅させるラジオ波焼灼療法を行っています。(注:適応については、主治医にご相談ください。)
その他
遺伝性乳癌卵巣癌患者さんに対するリスク低減乳房切除術やリスク低減卵管・卵巣摘出術を、
婦人科や形成外科と連携して積極的に行っています。

診療実績

当院の乳がん手術件数は2014年より急速に増加しており、2022年には総手術件数は600件を超えました。
当院では、根治性はもちろんのこと、整容性にも配慮し、積極的に乳房温存療法や乳房再建術を実施しています。その結果、およそ6割の患者さんが乳房の形状を残すことができています。手術の創もできるだけ小さく目立たないように工夫をしています。また、より創が目立たないように、小さな創で行う内視鏡を用いた手術も実施しています。乳房再建ではシリコンインプラント、背中の筋肉と脂肪(広背筋皮弁)、下腹部の脂肪(下腹壁動脈穿通枝皮弁)など、患者さんのライフスタイルや希望に合わせていろいろな方法で再建を行っています。さらに、一定の条件を満たす患者さんに対して、センチネルリンパ節生検を実施することによって、初発乳がん症例のおよそ8割の方が、術後の腕の痛みや浮腫の原因となる腋窩リンパ節郭清を省略することができています。

 

症例数

症例 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
乳房切除術 67 68 90 117 143 167 143 154 187 235
乳房部分切除術 203 231 267 245 246 265 217 245 284 290
⼀期的乳房再建術 48 62 70 97 103 103 102 96 89 88
予防的乳房切除術 15 31 23
乳がん手術合計 270 299 357 362 389 432 360 399 471 525

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※2023年よりNCD登録データをもとに集計

乳がん手術 術式内訳

学会認定

● 日本乳癌学会 研修認定施設
● 日本乳癌学会 新専門医制度基幹施設
● 日本オンコプラスティックサージャリー学会 エキスパンダー・インプラント実施施設
● 日本形成外科学会 教育関連施設
● 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構認定施設

スタッフ紹介

職 名 氏 名 専門分野 認定医/専門医/指導医
主任部長 中山 貴寛 乳がん 日本外科学会専門医・指導医
日本乳癌学会専門医・指導医
副部長 松井 早紀 乳がん 日本外科学会専門医
日本乳癌学会専門医・指導医
副部長 渡邉 法之 乳がん 日本外科学会専門医
日本乳癌学会専門医
日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍専門医
医長 奥野 潤 乳がん 日本外科学会専門医
日本乳癌学会認定医・専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医(乳腺)
診療主任 朴 聖愛 乳がん 日本外科学会専門医
日本乳癌学会認定医
レジデント 相馬 藍 乳がん 日本外科学会専門医
日本乳癌学会認定医
レジデント 樋口 絢子    
レジデント 光吉 歩    
レジデント 菅野 友利加    

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外来診療表

診察室
AM PM AM PM AM PM AM PM AM PM
45 乳腺一般外来   乳腺一般外来   乳腺一般外来   乳腺一般外来   乳腺一般外来  
46 渡邉 中山貴 乳腺初診②外来 奥野
47 乳腺初診
①外来
乳腺初診
①外来
松井 乳腺初診
①外来
乳腺初診
①外来
58 乳腺定期
外来
乳腺定期
外来
乳腺定期
外来

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関連サイト

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