骨外性骨肉腫 Extraskeletal osteosarcoma

  • 診療内容 / 実績
【疾患概念、発生頻度】
40-60歳以上に発生する稀な悪性軟部腫瘍で、骨とは連続性のない骨形成を特徴とする高悪性度の腫瘍である。悪性軟部腫瘍の1~2%程度を占め、やや男性の罹患率が高い。四肢や体幹などあらゆる場所に発生しほとんどが深在性である。放射線治療後の2次性の発生の報告もある。
【臨床症状または病態】
10cm前後の大きな腫瘍を形成して、疼痛を伴っている場合が多い。また初診時より肺転移を認める場合もあり、当センターでは約20%の症例に初診時肺転移を認めた。
【必要な検査とその所見】
MRI、CT(PET-CT)、X線検査を行う。X線やCTにて様々な形態の石灰化を認める。また骨との連続性はない。MRIでは分葉状の軟部腫瘤であり、T1でLow、T2で不均一Highな信号を示す。石灰化部分はどちらもLowになる。内部に壊死や出血を伴う場合もある。
【診断のポイント、コンサルテーション】
確定診断には、病理検査が必要である。軟部発生の腫瘍で石灰化を伴う大きな腫瘍の場合は本疾患を疑う必要がある。その際は、生検から専門施設で実施することが望ましく速やかに専門施設への紹介が必要である。
【治療方針】
当院では、術前化学療法、腫瘍広範切除、その後に術後化学療法を行うことが多いが、高齢者に多いため化学療法が十分行えない可能性があること、有効なレジメが明らかでないことが問題である。歴史的には骨肉腫と類似した組織像であったため、骨肉腫に準じた化学療法が選択されることが多かった。しかし当センターのデータでは軟部肉腫に準じたアドリアマイシン+イフォスファミドが有効であったと報告している(Wakamatsu, Toru, et al. International journal of clinical oncology 2019)。放射線治療の有効性は明らかでないが行われる場合もある。
【合併症と予後】
予後不良な疾患であり5年生存率は40-50%と報告されている。当センターでも同様に約50%であり、初診時に肺転移を認めた症例での平均生存期間はおよそ8ヶ月であった。遠隔転移がなくアドリアマイシン+イフォスファミドの化学療法に加えて腫瘍広範切除を施行できた症例は比較的良いものであった。

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