はじめに
≪業務の概要≫
当センターでは、患者さんに安心して治療を受けていただくために、薬物治療のさまざまな場面で「薬剤師」が関わっています。
医師の処方に基づく正確な調剤はもちろん、無菌調製(抗がん剤や中心静脈栄養、免疫抑制剤など)や放射性医薬品の調製、院内製剤の製造、治験薬や臨床研究用医薬品を含む医薬品の適正な管理なども実施しています。
それらの対物業務に加え、患者さんに対する薬学管理にも力を入れており、服薬指導や持参薬の確認、副作用の予防や早期発見による重篤化の防止、更には医師への処方提案など、薬物治療のあらゆる段階で関与しています。特に、がん専門薬剤師などのがん関連の有資格者による外来服薬指導では、医師による診察前に薬剤師による副作用の評価を行うとともに、PBPM(Protocol Based Pharmacotherapy Management)に基づく薬物治療への積極的介入も一部の診療科で開始しています。また、チームラウンドや患者教室など、センター内で活動する多職種によるチーム医療にも参画しています。
なお、当センターでは、外来患者さんのお薬は、原則「院外処方箋」を発行しています。外来患者さんには「かかりつけ薬剤師」をお持ちいただき、「かかりつけ薬局」で安心してお薬を受け取っていただけるよう、薬局DI室にがん薬薬連携窓口を設置し、保険薬局との薬薬連携の強化を図っています。
医療人の育成においては、11週間にわたり薬学実務実習生を受け入れ、医療の高度化に対応した薬剤師の育成にも力を注いでいます。さらに、がん専門薬剤師やがん薬物療法認定薬剤師、外来がん治療専門薬剤師等の研修認定施設として、 研修生の受け入れも積極的に行っています。
≪特色・実績≫
(2023年度※ 業務実績)
薬剤管理指導 |
10,961件 |
持参薬確認 |
12,653件 |
抗がん剤調製(入院) |
処方箋枚数 |
抗がん剤調製(外来) |
処方箋枚数 |
抗がん剤処方数 |
抗がん剤処方数 |
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入院処方箋 |
172,864枚 |
注射処方箋 |
321,444枚 |
外来処方箋(院内) |
2,702枚 |
院外処方箋発行率 |
98.7% |
入院前お薬外来 |
4,969件 |
後発医薬品割合(数量シェア) |
92.7% |
外来抗がん剤指導 |
1,791件 |
新規治験 |
48件 |
取扱い治験件数 |
159件 |
2024年1月に電子カルテシステムが変更になったことより、算出方法が変更となっている。