免疫療法対策チーム(ICIP) 

当センターでは、悪性腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害剤を使用された患者さんの副作用についてチームで対応しております。免疫チェックポイント阻害剤の副作用は薬剤投与中、また投与終了後も数か月にわたり(時によっては年単位で)発症することがあります。また、突然発症し急激に悪くなる場合があるのも特徴です。
そのため、一番重要なのは「患者さんやご家族の副作用に対する理解」や「副作用発症時に適切に対応できる環境づくり」と考えています。当院では導入前に薬剤師による薬剤指導・看護師による理解度の確認を行っています。また、さまざまな理由で現状のサポートでは安心して治療を受けていただけない可能性がある患者さんについては、看護師・地域連携室などが協力して療養環境を調整させていただくことがあります。ご自宅での薬剤管理にご不安な方は近くの医療スタッフにご相談ください。
さらに、薬剤師による検査値確認や看護師による体調の確認を適宜行うことで多方面から安全性を高める努力をしております。

 

また、頻度は高くありませんが非常に重篤な命に係わる免疫関連の有害事象や、病態が複雑な有害事象が発症することがあります。主治医や担当医が経験をしたことがないような稀な副作用が出ることもあります。その際には免疫療法適正使用サポートチーム(ICIP)が適切な対応をできるようサポートします。
具体的なサポートとしては週1回カンファレンスを行い必要な助言を行っております。また、急ぐ患者さんについてはコアメンバーによる個別相談を受け付けております。
また、電子カルテ上のシステムを利用して迅速に副作用対策ができるように薬剤や検査のセット化することで安全性を高めています。

 

新たな取り組みとしては、免疫療法の副作用の主な治療薬である高用量のステロイド薬管理を安全に外来で行うために2023年8月よりチーム制を導入しました。ステロイドは非常に有用な薬剤ですが、長期に使用するとどうしても副作用が生じてしまいます。その副作用を最小限にとどめ、かつ安心して外来で受けていただけるように薬剤師の指導や定期的な看護師の外来サポ―トを導入しています。免疫療法の副作用が安定している患者さんに限りますが、従来は入院で管理していたステロイド量でも基準を満たせば外来で治療させていただけます。ご希望の患者さんは医療スタッフにお問い合わせください。

 

上記のようにさまざまな取り組みをチーム医療として行うことで、患者さんに大阪国際がんセンターで免疫療法を安心して受けていただけるよう努力を続けます。

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