泌尿器科
- 診療内容 / 実績
- スタッフ紹介
- 外来診療表
「当科で治療してよかった」と思っていただける医療を目指します。
副腎、腎、尿管、膀胱、前立腺、精巣、後腹膜の悪性腫瘍の診断治療を専門に扱い、リスクや病期に応じた効果的な治療法を確立しています。早期発見と手術・放射線療法・薬物療法・免疫療法などの治療法を組み合わせた集学的治療により、がんの根治を目指すとともに、臓器機能の温存や早期の社会復帰など患者さんのQOLを重視した治療を行っています。 良性疾患では、副腎腫瘍、前立腺肥大症などの外科的治療(主に腹腔鏡下手術、経尿道的内視鏡手術)も行っています。
前立腺全摘除術、腎部分切除術、膀胱全摘除術に関しては積極的にダビンチ(ロボット)支援手術を行っています。これらのダビンチ(ロボット)支援手術 では繊細な手術操作(剥離、縫合など)を行うことができるため、根治性を保ちながら、出血量の減少、機能温存、早期社会復帰などが可能となってきました。
進行した泌尿器癌に対する治療に関しては、抗がん剤治療以外にも分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害剤など、近年治療の選択肢が増えてきています。これらの薬物療法に手術や放射線治療を組み合わせた集学的治療により治療成績が向上しています。
主要疾患
腎臓、副腎、腎盂、尿管、膀胱、前立腺、精巣、陰茎などの泌尿器臓器の腫瘍、および後腹膜腫瘍
治療ポリシー
○根治とQOL(生活の質)の両立を目指した医療を提供します。
○個々の患者さまの全身状態や希望に応じた個別化医療を推進します。
○豊富な経験を活かして、患者さまと一緒に歩む医療を心がけます。
主な治療について
病名 | 治療法 | 入院・外来 | 治療日数 |
---|---|---|---|
前立腺がん | 手術 | 入院 | 9~14日 |
放射線治療 | 外来 | 約1-2カ月 | |
膀胱がん | 内視鏡手術 | 入院 | 4~10日 |
膀胱全摘除術 | 入院 | 2~4週間 | |
化学療法併用放射線療法による膀胱温存 | 外来+入院 | 計4~6週間 | |
腎がん | 手術 | 入院 | 5~14日 |
分子標的治療 | 入院および外来 | 症状により異なる |
- ロボット支援体腔鏡下前立腺全摘
- ロボットを用いることで、より繊細な手術ができるようになりました。出血量は少なく、退院時尿失禁の軽減、早期の社会復帰が確認できています。今後、更なる手術成績の向上を目指していきます。
>>詳細はこちら(PDF) - ロボット支援腎部分切除
- 腎腫瘍に対してロボットを用いて腫瘍を切除する手術方法です。腹部に5-6ヶ所、それぞれ1cm程度の切開を置き、そこから留置した器具を使用して手術を行います。ロボットを用いることにより小さな創で、出血量を少なくし、腎を温存できることが本手術の大きな特長です。当科では積極的にこの手術を施行しています。
>>詳細はこちら(PDF) - 後腹膜リンパ節郭清術(腹鏡下または開腹)
- 後腹膜リンパ節転移がある臨床病期Ⅱ期以上で非セミノーマの場合、多剤併用化学療法後に残存する腫瘍があれば、原則すべてを摘出するための手術を行います。セミノーマの場合は残存腫瘍の大きさやPET-CT所見などにより手術を考慮します。従来はすべて開腹手術で行っていましたが、化学療法前の転移部位が小さければ、創を小さくできる腹腔鏡手術を行っています。
>>詳細はこちら(PDF)
診療実績
早期がんに対しては、臓器機能温存や早期の社会復帰を重視した低侵襲手術を積極的に取り入れています。前立腺がん、早期腎がん、膀胱がんに対しては、ロボット支援手術を行っています。令和5年3月までのロボット支援手術件数は、前立腺がんは1000例を超え、腎がんは約450例、膀胱がんは約80 例です。精巣がんの後腹膜リンパ節転移に対する化学療法後の腹膜リンパ節郭清術も一部の症例では腹腔鏡手術で行っています。
進行がんに対しては、放射線治療や薬物療法など手術以外にもさまざまな治療を組み合わせた集学的治療によって、癌の根治を目指します。根治が期待できる場合は、他科と連携し、他臓器合併切除や転移巣に対する手術も積極的に実施しています。根治が難しい場合でも、これまでの豊富な経験を活かして、病状の改善とQOL(生活の質)の向上を目指した医療を提供しています。
がんの診断に関しても、できるだけ最新の方法を取り入れる努力をしています。前立腺がんの診断目的で行う前立腺生検は通常超音波画像のみを用いて組織の採取を行っていますが、当院ではMRIと超音波検査の融合画像を用いることで、がんが疑わしい部位をより正確に把握して、組織を採取しています。骨への転移を調べる検査においては、積極的に全身MRI撮影を行っています。これにより従来の骨シンチ検査では見つからなかった骨転移を発見できるようになり、治療方針の決定や早期治療に大変役立っています。
また、国内未承認薬を用いた臨床試験を数多く行っているのも当科の特徴です。最近は、腎癌、腎盂、尿管・膀胱癌に対する免疫療法、前立腺癌、腎盂・尿管・膀胱癌に対する分子標的薬治療などの国際共同臨床試験に数多く参加しています。
疾患名 | 対象症例 | 治療法 |
治療成績 (5年生存率) |
---|---|---|---|
腎がん | 早期がん | 腹腔鏡下腎部分切除術 | 100% |
進行がん |
腎摘除術+薬物療法 薬物療法 |
53% 38% |
|
膀胱がん | 進行がん | 膀胱温存経尿道的手術+放射線化学療法 全摘除術+化学療法 |
70% |
前立腺がん | 早期がん | 手術、放射線治療 | 95~100% |
進行がん | 内分泌療法、化学療法 | 60% | |
精巣腫瘍 | 進行がん | 化学療法+手術療法±放射線療法 (腹腔鏡下リンパ節郭清術) |
81% (10年生存率) |
- 主な手術実績
-
主な術式 手術件数 R1年度 R2年度 R3年度 R4年度 R5年度 治的腎摘除術
36
28
38
32
30
開腹
15
11
12
14
13
腹腔鏡下
21
17
26
18
17
腎部分切除術
73
60
63
67
52
開腹
2
3
0
0
1
内視鏡補助下小切開
0
0
0
0
0
腹腔鏡下
0
0
0
0
0
ロボット支援
71
57
63
67
51
根治的腎尿管摘除術
23
18
32
27
31
開腹
3
1
7
4
6
腹腔鏡下
20
17
25
23
25
尿管部分切除術
4
2
0
0
2
根治的前立腺全摘除術
82
84
80
122
97
ロボット支援
82
84
80
122
97
根治的膀胱全摘除術
16
21
16
18
27
開腹
10
2
2
1
1
腹腔鏡下
0
0
0
0
0
ロボット支援
6 19 14
17
26
経尿道的膀胱腫瘍切除術
174
202
178
182
220
高位精巣摘除術
21
10
8
15
13
後腹膜リンパ節廓清術
6
7
3
3
6
開腹
5
3
2
3
5
腹腔鏡下
1
4
1
0
1
後腹膜腫瘍摘除術
11
11
12
8
10
開腹
8
11
12
8
10
腹腔鏡下
3
0
0
0
0
副腎摘除術
9
7
7
6
5
開腹
0
2
3
0
0
腹腔鏡下
9
5
4
6
5
- セカンドオピニオン実績
-
セカンドオピニオン件数 R1年度 R2年度 R3年度 R4年度 R5年度 128 90 105 116 122
学会認定
● 日本泌尿器科学会専門医教育施設
● JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)泌尿器科腫瘍グループ参加施設
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スタッフ紹介
-
副院長
西村 和郎
-
主任部長
中山 雅志
-
副部長
中井 康友
-
副部長
永原 啓
職 名 | 氏 名 | 専門分野 | 認定医/専門医/指導医 |
---|---|---|---|
副院長 | 西村 和郎 | 泌尿器がん | 日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本内分泌外科学会専門医 泌尿器腹腔鏡技術認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本内視鏡外科技術認定医 日本癌治療学会代議員 日本泌尿器科学会代議員 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会評議員 ダヴィンチサージカルシステム認定資格 泌尿器ロボット支援手術認定プロクター 日本アンドロロジー学会評議員 |
主任部長 | 中山 雅志 | 泌尿器がん | 日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本内視鏡外科技術認定医 泌尿器腹腔鏡技術認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 ダヴィンチサージカルシステム認定資格 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会代議員 泌尿器ロボット支援手術認定プロクター |
副部長 | 中井 康友 | 腎がん 前立腺がん |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 泌尿器腹腔鏡技術認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 ダヴィンチサージカルシステム認定資格 日本内視鏡外科技術認定医 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会代議員 日本アンドロロジー学会評議員 泌尿器ロボット支援手術認定プロクター |
副部長 | 永原 啓 | 精巣悪性腫瘍 膀胱がん |
日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 泌尿器腹腔鏡技術認定医 日本内視鏡外科技術認定医 ダヴィンチサージカルシステム認定資格 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会代議員 泌尿器ロボット支援手術認定プロクター 難病指定医 |
副部長 | 川村 憲彦 | 前立腺がん | 日本泌尿器科学会専門医・指導医 泌尿器腹腔鏡技術認定医 ダヴィンチサージカルシステム認定資格 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会代議員 泌尿器ロボット支援手術認定プロクター |
医長 | 林 裕次郎 | 膀胱がん | 日本泌尿器科学会専門医・指導医 ダヴィンチサージカルシステム認定資格 |
医員 | 岡本 崇佑 | 日本泌尿器科学会専門医 ダヴィンチサージカルシステム認定資格 |
|
レジデント | 倉橋 豊 | ||
レジデント | 中川 絢基 | 泌尿器一般 | ダヴィンチサージカルシステム認定資格 |
外来診療表
診察室 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AM | PM | AM | PM | AM | PM | AM | PM | AM | PM | |
72 | ◎川村憲 | 川村憲 | 西村和 | ◎西村和 | ||||||
73 | 中山雅 | ◎中井康 | ◎中山雅 | 中井康 | ||||||
74 | ◎永原 | 永原 | 岡本 | 林 |
◎は、初診対応です